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言えたものから帰ってよし。
最後の進路相談を終えてまた明日、と先生と別れる。
こうやって、先生やみんなとまた明日、と言い合える日々にも、もうすぐ終わりが来てしまう。
卒業が…大部分の人たちとこれから進む道が分かれてしまうことが寂しいのは、きっと、それだけこのクラスでたくさんの人と心を触れ合わせて、言葉を交わして…大好きになった。そういう証拠。
小学校は早く卒業したくて堪らなかったから、やっと終わった、という思いしか残らなかったもの。
「んじゃ、また明日な」
「またなー」
「ありがとう。また明日…気を付けて帰ってね」
悠馬くんと…その日の彼の気分や予定によっては前原くんも一緒に。
他愛のない話をしながら歩いて、家まで帰る。そんな、すっかり当たり前になってしまった時間にも、もうすぐ終わりが来てしまう。口に出したら余計に寂しくなってしまうから、絶対に言わないけれど。
日が短くてすぐに暗くなるから、と家まできっちり送り届けてくれる彼らの優しさに、甘えてしまう。
次の日の朝早く。朝ご飯の支度をしていたら電話がかかってきた。
「もしもし、A！」
「…悠馬くん…？」
「外、見たか！？旧校舎が…！」
慌てたような、切羽詰まったような声を聞いて、わけがわからないまま受話器と一緒に家の外に出る。
「…なに、あれ…」
いくつもの高い建物から、光が発射され、その光は全て旧校舎があるはずの場所で集まり、丸い光のドームのようなものを形成していた。
通話を終了したら、上着を掴んで家を飛び出す。
何が起きているのかわからないけれど…行かないと。混乱しながらもみんなで連絡を取り合って、1か所に集まる。
烏間先生からは、自宅待機指令が届いたみたい。
あの山に繋がる主要道路を封鎖する装甲車両。学校に向けて光を放っている建物も、100メートル以上近づくことは禁止されているのだそう。旧校舎と、謎の光の元に近づくことができないようたくさん配備された兵隊さん。
「どーいうことだよ！殺せんせーはどうなってんだ！携帯も繋がんねぇ！」
困惑と苛立ちが混じった前原くんの声があたりに響く。律ちゃんの本体とも連絡は取れない。山に繋がる通信、電源が全てカットされているらしい。
E組の子たちの中で学校に1番近い位置にあるという不破さんのおうちには、国からの避難命令。
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nano*(プロフ) - りゅーさん» りゅー様、コメントありがとうございます。楽しんでいただけているようでとっても嬉しいです。毎日更新、とはいかないかもしれませんが、最後までがんばっていきますね！ (2022年5月2日 19時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
りゅー - とても面白いです！ 更新頑張ってください！ (2022年5月2日 5時) (レス) id: a57abce8b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nano* | 作成日時：2022年4月6日 13時
