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2月3日。節分の日。暦の上では冬から春への境の日。…まだ、外には雪が積もるほどに寒いのだけど。
昨日までの授業で、中学校で学ぶべきことをすべて学び終え、いよいよ受験勉強…と思っていたのだけれど…。
「…マッハ20の無駄遣いだよ、こんなの」
クラス全員が季節外れのサンタさん(男の子はまだ暖かそうだけれど、女の子はミニスカートな上にお腹まで露出させられるという鬼のような仕様)にマッハ20で着替えさせられた。
全員で先生から渡されたクラッカーを鳴らし、メリークリスマス、と声を揃える。
教室の机の上には、美味しそうなチキンにケーキ、クラッカーやシャンメリー。クリスマスツリーまで飾ってある。
「最高の聖夜ですねぇ、『2月』と言えばやっぱりクリスマス！！」
念のためにもう一度言っておくけれど、今日は2月3日、節分の日。
「A、寒いだろそれ…俺の着るか？」
「…それ、私が追い剥ぎをしたみたいにならない？」
「お、おいはぎ…そうか…」
寒いからと言って彼の服を借りてしまったら、彼だけがサンタさんの衣装を奪われたみたいになってしまうと思う。彼は寒い思いをする羽目になると思うし。
「察してやれよ」
なにかを察しろと前原くんに呆れられた。よくわからない。
…まあ、こんなにもクリスマスらしいクリスマス(ではないけれど)を過ごすのは、初めてのことだから…結構、楽しいかも。
「おっと、良い子はもう寝る時間です！先生も別室で寝るので早く布団に入りなさい！」
時計を見て声を出した先生。示された時刻は11時(午前)。
気が付けば机もケーキも、クリスマスツリーも、綺麗に片付けられて、カーテンは閉め切られ…床にはお布団が敷かれていた。
無言で、みんなで顔を見合わせて先生が出て行った扉に目を向ける。
小声でサンタさん(先生)が入ってきたらどう動くかを相談しつつ制服に着替えて、明かりは付けたまま、お布団に。
少しして、ゆっくりと扉が開き、よく寝ておるよく寝ておる、と小さく楽しそうな声を出しながらプレゼントの詰まった袋を持った先生が入ってきた。
教室の真ん中に先生が辿り着いたところで、寝たふりをしていた私たちはいっせいに飛び掛かって…突然周囲が、昼間とは思えないほど真っ暗になった。
「明けましておーめでとー！！」
先生の声と共に明るさが戻り、私たちは着物に着替えさせられていた。教室の飾りつけもすっかりお正月仕様だ(けれど今は2月)。
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nano*(プロフ) - りゅーさん» りゅー様、コメントありがとうございます。楽しんでいただけているようでとっても嬉しいです。毎日更新、とはいかないかもしれませんが、最後までがんばっていきますね！ (2022年5月2日 19時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
りゅー - とても面白いです！ 更新頑張ってください！ (2022年5月2日 5時) (レス) id: a57abce8b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nano* | 作成日時：2022年4月6日 13時
