２９６ ページ3
だからこそ、殺さなくちゃいけないと思う。
そういい切れる彼女は強くて真面目で…とっても優しい子。
「助けるって言うけどよ、具体的にどーすんだ？それに今から助ける方法探して、もし見つからずに時間切れしたらどうするよ？あのタコがそんな半端な結末で、半端な生徒で喜ぶと思うか？」
「で、でも、考えるのは無駄じゃない…」
寺坂くんたちが中村さんの側に付く。クラスが2つの意見で対立する。
「…才能ある奴ってさ、何でも自分の想い通りになるって勘違いするよね。ねえ渚くん、随分調子乗ってない？」
「え…？」
赤羽くんの、今までに聞いたことがないくらいに冷たい声。鋭い朱鷺色が真っ直ぐに、少し困惑した様子の空色を見据える。
「E組で1番暗殺力があるのは渚くんだよ？その自分が暗殺止めようとか言いだすの？才能がないなりに、必死に殺そうと頑張ってきた奴らのことも考えず。それって例えるなら、モテる女がブス達に向かって、『たかが男探しに必死になるのやめようよ〜』…とか言ってる感じ？」
「そ、そんなつもりじゃ…第一、暗殺力なら僕なんかよりカルマくんの方がずっと…」
赤羽くんが、渚くんの言葉に苛立っているのがわかる。
「そういうこと言うから尚更イラつくんだよ。実は自分が一番、力が弱い人間の感情理解してないんじゃないの？」
「違うよ！そーいうんじゃなくて、もっと正直な気持ち！カルマくんは殺せんせーのこと嫌いなの？映画一緒に見に行ったり、色々楽しかったじゃん！」
そうじゃないよ、と…今は私が口を挟んではいけない気がして、静かに見守る。
彼がこんな風に誰かと衝突するのは珍しい…それだけ、彼にとっても、譲れない気持ち、ということなのだろうな。
「だぁから！そのタコが頑張って渚くんみたいなヘタレ出さないために楽しい教室にしてきたんだろ！殺意が鈍ったら、この教室成り立たないからさぁ！！その努力もわかんねーのかよ！体だけじゃなく頭まで小学生か！？」
ここまで声を張り上げる赤羽くんも、初めて見た。…少し怖い。
彼の言葉に、困惑しきった様子だった彼の目も鋭くなる。
「え、なにその目。小動物のメスの分際で、人間様に逆らうの？」
「僕はただ…」
「文句あるなら、1度でもケンカに勝ってから言えば？」
ほら、と何度も渚くんを突き飛ばす赤羽くんに悠馬くんの顔を見上げる。
「僕だって半端な気持ちで言ってない！」
赤羽くんの手を掴んで彼の首に足を巻き付ける。飛びつき三角絞めという技らしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nano*(プロフ) - りゅーさん» りゅー様、コメントありがとうございます。楽しんでいただけているようでとっても嬉しいです。毎日更新、とはいかないかもしれませんが、最後までがんばっていきますね！ (2022年5月2日 19時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
りゅー - とても面白いです！ 更新頑張ってください！ (2022年5月2日 5時) (レス) id: a57abce8b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nano* | 作成日時：2022年4月6日 13時
