【暗殺教室】ばびっとらびっと６ (ページ26)

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その、次の日のこと。

「さてみなさん。晴れて全員E組から脱出できる資格を得たわけですが、この山から出たい人はまだいますか？」
「いないに決まってんだろ」
「2本目の刃はちゃんと持てたし、こっからが本番でしょ、この教室は」

暗殺教室はここからが本番。みんなの言葉に満足気に頷いて、先生が目標達成のご褒美に弱点を、と言いかけた時だった。
突然響いた何かを破壊するような大きな音と、振動。

「なっ、なんで！？校舎が半分ない！」

半壊状態の校舎を見ている人物が、私たちの他に1人。

「今朝の理事会で決定しました。この旧校舎は今日を以て取り壊します。君たちには来年開校するよ系列学校の新校舎に移ってもらい、卒業まで校舎の性能試験に協力してもらいます」

「し、新校舎ぁ！？」
「い、今更移れって…」
「嫌だよ！この校舎で卒業してえ！！」

突然告げられた旧校舎の取り壊しと、新校舎への移動。急で理不尽な通達に全員が首を横に振る。

「どこまでも、自分の教育を貫くつもりですね」
「…ああ、勘違いなさらずに。私の教育にもうあなたは用済みだ。今ここで、私があなたを殺します」

内ポケットから解雇通知書を取り出してころせんせーに見せる。
理事長先生の言う『殺す』が、教師としての死と、生物としての死、その両方を意味しているのだと分かった。

「こ、殺せんせーの解雇通知！？」
「とうとう禁断の伝家の宝刀抜きやがった」

酷く狼狽して、リストラ反対、浅野理事長を許すな、などと書いた手持ち看板で解雇に抗議するころせんせーはなんというか、あまりにも…弱い。

「早合点なさらぬよう。これは標的を操る道具に過ぎない。あくまで私は殺せんせー、あなたを暗殺に来たのです」

対先生ナイフを取り出して笑った。そういう顔を見ると、浅野くんと親子なのだなと思う。

「確かにあんたは超人的だけど…思い付きで殺れるほど、うちのタコは甘くないよ」

赤羽くんの言葉に笑顔だけ返すと、解体業者の人に中で仕事をするから作業を中断するよう告げて、教室を暗殺の舞台に変える。

5つの机と、5教科の問題集。
私たちは危険だからと教室には入れなかった。

「…さて殺せんせー。もしも解雇が嫌ならば、もしもこの教室を守りたければ。私とギャンブルをしてもらいます」
「…ギャンブル？」

ギャンブルなんて、先生が、学校という場で…注意以外の目的で口にするのはあまり聞きたくない単語だな…。