【暗殺教室】ばびっとらびっと６ (ページ3)

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親指で磯貝くんを指さしながら、呆れた、という顔をする先生に首を傾けることで応えた。
だって、どうしてそんなことを先生に指摘されないといけないのか、イリーナ先生が若干責めるような口調な理由も、わからないんだもの…。

「なんなのよそのきょとん顔は！」
「だって…」

そもそも、なんでこんな話になっているの…？私がいない間に何があったの？
助けを求める意味も込めて、磯貝くんの方に目を向けたら、何故かすす、と逸らされてしまった。

1週間も経ったというのに私も磯貝くんも一体何をやっているのか、手を繋いだりキスをするくらいならお付き合いを始めたその日にだってできる、と意味不明なことを言ってくるイリーナ先生。

何なのだろう、この勢いは。なんだか怖いのだけど。…というか、本当にどうしてこんな話をしているのだろう。

「心の準備、というものは、必要だと思いますよ…」

先生の暴論に小さく抗議したら、心の準備ができるのはいつなのかと更に詰められる。…本当になんなの、これ。

「……手を繋ぐのは…えっと…来週、とか…？きすは……あ。1年後？」

手は、握ったり握られたりしたことがないわけではないから、準備というほどのこともない…かもしれない。けれど、キスは、難易度が違いすぎると思う。磯貝くんの顔を近くで見ることだってできるかどうかわからないのに…。

「いや遅ぇよ！！」
「…そ、そんなに、みんなして言わなくてもいいのに…」

かなり真面目に、色々なことを考えて答えたつもりだったのだけれど、総ツッコミを食らう羽目になった。

「こらこら…。A、こいつらの言うことは気にしなくていいよ。ちゃんと待つから」
「1年後でも？」

苦笑しながらようやく声を出してくれた磯貝くんに、追い打ちのようにイリーナ先生が尋ねる。

「い、1年後でも…」
「……」

微妙な角度で頷く彼も、『1年後は流石に遅すぎる』というみんなと同意見、なのだろうな。正直な子だ。何をどうがんばればいいのか、さっぱりわからないけれど…が、がんばろう…。

「うーん…とりあえず、デートでもしてみたらどうかなー？」

初デートもまだなんでしょ、とふわんふわん笑いながら提案してきたのは、倉橋さんだった。

「あと…Aちゃんも磯貝くんのこと、名前で呼んでみるとか！」

もう1つの提案は矢田さんから。
…このクラスの子たちって、本当になんというか…こういう話題になると、みんな生き生きするよね。