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『今すぐに、ここで私を殺しなさい』


首を斬られるのはツライだろう。

痛いだろう。

どれだけでも血が流れる出ろう。



きっと、


きっと、


無惨様は怒っている。


目の前の無惨は赤い瞳をさらに揺らめかせた。

張り詰めた宝石のような瞳から、

ぽろぽろ……っと水があふれた。


「……だ。やだ、やですっ。嫌です!」


無惨様が拳を振り上げた。

私は思わず、目をつぶる。



いつもの様に、ひどく殴られると思ったのだ。



肺を潰されるように、


床にたたきつけられたのかと思った。


強く抱きしめられたのだと、

ややあって気づいた。


「姉さまの馬鹿!」

『……無惨』

「貴女のために生きているのにっ、

 貴女のために戦おうと思ったのにっ、

 どうして……、

 どうしてっ、そんなことが出来ましょう!」


ぎゅっと着物の袷を絞るように、

抱きついてくる様子が

あまりにも愛しくて

可愛らしくて。


『ぅ……っう、よかったぁ……っ』


私は涙を流しながら、

その場に座りこんでしまった。


脚が、がくがくと震えている。


啖呵を切ったが、

怖かったに決まっている。


「姉さま……」

『無惨っ、無惨』


私は馬鹿みたいに弟に縋りついてしまった。

『殺さないでくれる?一緒にいてくれる?』

「姉さま、姉さまが妹みたいですよ」

『な……いいんだ。ねえ、一緒に戦ってもいい?』


私がそう聞くと、

途端に、弟は苦虫を噛んだような顔をした。


そして

「そろそろ行かなければ」 と言って

部屋を出ていった。


『……つまり、良くも悪くもないってことか』



一人暗い部屋に取り残された私は、

絵筆を握り締めて



哂った。

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三千幸 - 雨雲さん» うへぇ、そんなに言ってもらえるとは光栄です……( 三甘*´艸`) (2019年12月9日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
雨雲(プロフ) - マジで最高なんですけど、、え、マジで(語彙力) (2019年12月8日 22時) (レス) id: 75cba6923f (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - 蓮さん» アリガトウゴザイマス―――! (2019年12月3日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白いいいいいいいいいいいいいいい! (2019年12月3日 19時) (レス) id: 947501fbf1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三千幸 | 作成日時:2019年12月2日 21時

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