Episode,21 油断大敵 ページ17
◯
ゆっくりと
景色が加速していく
見えるのは
自分自身のブーツと
血に染まった着物のはし
あれ……
私はどうしてこんなところで寝て……
あれ……
どうして、私の眼には自分の足元が見えているの………
……………………
「よォ、鬼舞辻…Aだったか？」
ぐらりと頭が持ち上がり、宇髄天元と視線が合った。
おかしいな、私の身長じゃ彼と同じ高さで目線を合わせることは不可能なのに。
「地味にとぼけた顔だな」
状況が分かってねぇのか？と、戦闘中の彼にしては以上に優しい声で私に問うた。
私は瞼を閉じ、首を縦に振った。
「お前、斬られたんだよ。俺に」
頭が真っ白になった。
でも、不思議と今まで不可解だったことに整理がついた。
『斬られた……？私が……・？でも、死んでない』
私がそう言えば、宇髄さんは頭をかいた。
「お前、本当に変な奴だよな。死にたいなら、今すぐにでも派手に留め刺してやらぁ」
「……宇髄師匠！」
「おう、雲雀ヶ丘。ちょっと待て、あと下がれ」
宇髄さんに雲雀ヶ丘と呼ばれたのは私が先ほどまで戦っていた柱。
私がまだ死んでいないのには理由があるのだろうか。考えられる理由としては、私の体内の血は圧倒的に無惨の血である……ということが何らかの原因なんだろうか。
この身体は不可解すぎて困る。
『死ねない？』
「死にてぇのかよ」
私はない首を横に振った。
そっと視線をずらせば、着物姿の私の身体は２割ほどが液状化していた。ドロドロと溶けている。気持ち悪いから……見なかったことにしようかな。
『宇髄天元……私は消えるんだね』
宇髄さんも溶けかけている私の身体を見て頷いた。
『困るなぁ……こんなのゼンゼン格好良くないよ。
無惨の姉としてあと2人ぐらい柱を殺しておきたかったのに』
「どっちにしろ、その前に俺かそこの雲雀ヶ丘が斬ってるぜ」
『優しいね、宇髄天元。鬼の頭の姉の頸だよ？
もっと手ひどく扱ってごらんよ』
「扱ったらこの後、手酷く派手に殺されそうだなぁ」
『………扱わなくっても、無惨が殺すよ。
私の弟は最強にして完璧だからね』
私の身体はもう胸元までになっていた。
『宇髄天元、頼みがある』
「おお」
私は泣きそうになりながら、顔をくしゃくしゃにして笑った。
◯
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三千幸 - 雨雲さん» うへぇ、そんなに言ってもらえるとは光栄です……( 三甘*´艸｀) (2019年12月9日 19時) (
レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
雨雲(プロフ) - マジで最高なんですけど、、え、マジで(語彙力) (2019年12月8日 22時) (レス) id: 75cba6923f (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - 蓮さん» アリガトウゴザイマス―――! (2019年12月3日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - 面白いいいいいいいいいいいいいいい！ (2019年12月3日 19時) (レス) id: 947501fbf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三千幸 | 作成日時：2019年12月2日 21時
