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 間合いを開け、睨みあう。大きく開いた眼光は鋭く、私が少しでも力を抜けば圧倒されてしまいそうだった。
 ゆっくりと息を吐き、集中して、捕らえられるように私は彼を睨み続けた。

「くそっ、どけ!鳥人間!」
「鳥人間じゃない!私は鳥そのものなんだ!」

 後ろから羽音や刃がはじく音がする。
 ゆるりと漂ってくるのは鉄分を含んだ……血の匂い。どちらかが怪我をしているんじゃないかと思えば、どんどん怖くなっていく。がくがくと足は震え、甘露寺を斬った時には何も感じなかったのに……、自分の友人が怪我をしているかもしれないと思うだけで哀しくなってくる。

「はぁっ!よそ見とはいい度胸だな!だが、あまり関心しないぞ!」
『しまっ……あぁ!』

 私が後ろに神経を集中させていたことに気づいた煉獄は、一気に私へと近づいてくる。避けられるだけの距離や空きはもう無い。サッと見まわした時には、もう刃は目の前。

「A様っ!?く、どけ!」

 視界の端には驚いて、不死川に抑えつけられている舞鶴華の姿。
 そんな風な体制……。舞鶴華が斬られるかもしれない。助けないと。でも……あれ?
 どうして舞鶴華はあんなに驚いて……?

『あ』

 前を向くと、黄色の髪に赤い炎のような瞳と目が合った。

 侃、と首元に冷たいものが当たる感覚がする。


斬られかけている??


『っ……!』

 私は息をのむと、筆を振るって反撃に出る。
 反撃しようとした右腕は懐から新たに出された短刀で切りさかれる。

『あ゛ぁっう゛……っ!』
「ここまでだな!」

 右腕を失った痛みは今までの痛みを塗り変えるように、体中を駆け巡っていく。
 痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い………。

 刃が一度上げられ、瞳の中で星が光るように切っ先が輝いた。
 
 もう駄目だと、瞼を閉じた。








『?』

 なにも、おきない。

 恐る恐る目をあけると、血走った目で空を睨んでいる不死川と驚いて口を開けている舞鶴華が見えた。2人とも、両者、隙だらけの状態なのに微動だにしない。

 ゆっくりと視界を動かせば、炎なんかとは比べ物にならない赤い瞳と目が合った。少しだけ潤んだ瞳が私を捕らえ、彼の薄い唇が震えた。

「A、姉さま……」

 音にならず、空気を震わせた。


Episode,18 シアワセ→←Episode,17 炎の羽



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三千幸 - 雨雲さん» うへぇ、そんなに言ってもらえるとは光栄です……( 三甘*´艸`) (2019年12月9日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
雨雲(プロフ) - マジで最高なんですけど、、え、マジで(語彙力) (2019年12月8日 22時) (レス) id: 75cba6923f (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - 蓮さん» アリガトウゴザイマス―――! (2019年12月3日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白いいいいいいいいいいいいいいい! (2019年12月3日 19時) (レス) id: 947501fbf1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三千幸 | 作成日時:2019年12月2日 21時

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