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……後日。
私は月明りに照らされながら、ことの顛末を舞鶴華に話していた。
「そんなことが……。鬼狩りに遭遇したのに一人の殺さずに……あの御方が……」
『まあ、根は優しくて良い子だからね』
湯呑を持ち上げ、熱いお茶を飲みながら私はそう言った。無惨が準備してくれたお茶を飲み干せば、少しだけ鉄の味がする。この前に血を使いすぎてぶっ倒れた為か最近、血の量が増えた気がする。
「でもお役に立てて良かったですよ」
『うん、助かりました。こんな風にもっと、無惨と鬼狩りが仲良くなれるようにお手伝いしたいんですけどね……』
私が遠くを見ながらそう呟くと、舞鶴華はどうかされたんですか、と聞いてくれた。
『「あのように危険なことをされるのなら、必要以上の外出は禁止です」ってね』
「…………そっくりですね」
舞鶴華は赤い瞳を見開いて、口をパクパクさせると、やっとのことでそう言った。無理してコメントしなくてもいいのにな。
「さ、さすが姉弟というか」
『無理をして、話そらさないでいいよ。舞鶴華、今日も報告、ありがとうね』
「もう、大丈夫ですか」
舞鶴華に声をかけ、私は湯呑みと団子が乗っていた皿を横へと置いた。舞鶴華が飛び立とうとしているので、見送るために私も立ち上がった。
『うん、ありがとうね。また誰か消えてしまったら、よろしく』
「……了解いたしました」
舞鶴華は血鬼術で羽のような何かを作り出すと、羽ばたくようにして無限城から飛び立った。
『……』
現在、下弦の月は残り3人。下弦の壱 魘夢、下弦の肆 零余子、下弦の伍 累。柱に遭遇するタイミング、位置、時間帯……。鬼によってもそれぞれ違うが、この3人が残っているという点に私は驚いていた。かろうじて……鬼殺隊の刃はまだ上弦の月までは届いてない。
『まだ、何かできるかな』
空に浮かぶ満月を眺めながらそう呟いていた。
「姉さま?そんなところで……また、風邪をひきますよ。早く入ってください」
優しげな声に振り向くと、暖かそうな着物をたくさん抱えた無惨が立っていた。ニコニコとした笑顔は、きっと私以外には見せてくれない。
『はいよ。今、行くから……もうすこしだけ』
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幕間→←Episode,11 姫抱きでイケメンが口論ってナニソレステキ
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まゆゆ(プロフ) - 無惨のテンション高めな感じの時は仮面ライダー電王のモモタロスを想像してしまうw (4月30日 23時) (レス) @page12 id: d6c6f36b97 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 三千幸さん» 見てきます!陰キャ組とか無常とかいいですよね… (2019年11月21日 19時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ソフィアさん» はい!今、同名で2作品 書いて投稿しています。リッパー落ちとヤンデレ短編集ですが宜しければ読んでください!陰キャ組、白黒無常、写真家が好きなんです!……端末を持っていないのでゲームはやったことないんですが。 (2019年11月20日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 第五人格知ってるんですか?! (2019年11月19日 22時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ミサモさん» そうですよねぇ。(*´▽`*) (2019年11月18日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三千幸 | 作成日時:2019年11月5日 20時