【鬼舞辻無惨】 推しがブラックすぎるので株を上げます！ 【鬼滅の刃】

えぴそおど,参　はじめてのおでかけ(11,22追記) ページ37

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　私は今、姉さまの膝に座らされている。

　初めての外出でわくわくされているのだろう。

　何時もならばとても嬉しいことだし、存分に甘えたい気持ちもある。

　が、

『無惨ー可愛いねー……。ね、鳴女さん』

　姉さまと一緒にさあかすへ出かけるため、

　姉さまたってのお願いで少女の姿に擬態した。

　なかなか上手く化けることができ、

　黒檀のような髪に真っ赤な瞳と

　ぱっちりとした二重に長い睫毛は

　姉さまそっくりだなと悦に入っていたところを捕獲された。

「ね、姉さま……」

『声はもう少しだけ高い方が良いかもね』

　さっきからなすがまま、されるがままで話を聞いてくれない。

　姉さまの手には銀の櫛、

　三つに分けた髪の束を編んでいるところから三つ編みをしているのが解る。

『あー……可愛いっ！あ、こっちのリボンも似合うなぁ。赤と青……白。でも無惨は色白だから黒いリボンの方が似合うだろうな』

　ひらひらとした薄い帯を手に取って遊んでいる。

　そのお姿はとても可愛いが、私の髪で遊ぶのはやめてもらえないだろうか。

『そうそう、この日のためにワンピイスも買ってきたんだー。ほら、黒いレースをふんだんにあしらった これ！！』

　笑顔で差し出されたワンピイスは繊細そうなレースがあちらこちらに付いており、ひっかけないか心配になる。裾の部分に小さくあしらわれた薔薇の刺繍が姉さまらしさを感じさせる。

「着る、のですか」

『無惨は今日、月美だから』

「なんですか、それ」

『今日の無惨の名前』

　ひらひらのワンピイスにヘッドドレス……。畳の上に散らばったそれらを見て、私は頭痛に悩まされていた。

〇

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