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『私も貴方を守りたいよ、無惨』

そう言って、無惨様に向かって微笑んだ。無惨様は驚いた顔で私を眺めたあとに……笑顔になって私をもう一度抱き締める。

『……』
「姉さま?」
『無惨、少しどいてくれる?』
「す、すみません、姉さま。苦しかったですよね」
『いいえ。そうではないの』

無惨様は、すまなさそうに眉を八の字にして私の上からどいた。
私はゆっくりと立ち上がって、着物の裾を整える。無惨様が不思議そうな顔でこちらの様子を窺っているが気にしない。
何だか今、とっても幸せだから。

『無惨……見ていてね』

私は袂から小刀を取り出して、自分の腕を切りつける。驚いて立ち上がった無惨様と自分の腕からトロトロと流れ落ちる血が見えた。私は自分の傷口に慎重に筆を当て、夜空に向かってスパッタリングをするように勢い良く放り投げた。飛んでいった筆を眺めていると、無惨様が傷口を心配そうに見ていたので微笑んだ。

『そろそろ……かな』
「姉さま、傷口の手入れをしてください」
『うん……ちょっと待って』

私がずっと夜空を見ていると、無残様も隣へとやって来た。姿は私よりも少し大きくなっていて、もとの姿に戻ったのだと分かった。

「……っ、これ」
『花火だよ……無惨』

まるで絵具がキャンバス中に広がるように、夜空を燃えるような紅い色が彩る。たまに落ちてくる花火の燃えカスは触れると異常に熱くて火傷した。

「とても綺麗です、姉さま。まるで……姉さまのようですね」

うっとりとした表情でそういう無惨様を盗み見ながら、私は微笑んだ。

『初めて成功した血鬼術だよ。無惨のおかげだね。……そうだ、無惨。この血鬼術に名前を付けてくれませんか?』
「……儚くて、姉さまに相応しい美しさを持つ血鬼術」
『無惨も花火、好きでしょう?』
「はい」

ややあって、無惨様は私の肩を叩いた。

「姉さま……鬼灯の想い出、は如何でしょう」
『鬼の文字も入っているし……無惨と私の想い出、か。素敵、とっても素敵だね』

夜空の花火はまだ続いていて、それはそれは綺麗だった。

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まゆゆ(プロフ) - 無惨のテンション高めな感じの時は仮面ライダー電王のモモタロスを想像してしまうw (4月30日 23時) (レス) @page12 id: d6c6f36b97 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 三千幸さん» 見てきます!陰キャ組とか無常とかいいですよね… (2019年11月21日 19時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ソフィアさん» はい!今、同名で2作品 書いて投稿しています。リッパー落ちとヤンデレ短編集ですが宜しければ読んでください!陰キャ組、白黒無常、写真家が好きなんです!……端末を持っていないのでゲームはやったことないんですが。 (2019年11月20日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 第五人格知ってるんですか?! (2019年11月19日 22時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ミサモさん» そうですよねぇ。(*´▽`*) (2019年11月18日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三千幸 | 作成日時:2019年11月5日 20時

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