【鬼舞辻無惨】 推しがブラックすぎるので株を上げます！ 【鬼滅の刃】

えぴそおど、壱　姉さまについての評価と考察 ページ15

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　コンコンと水が流れる音がする一室――。
　鬼舞辻無惨は何時ものように姉であるAの眠る寝室へ訪れていた。自分を庇ったことで息を引きとおるように眠りについた姉はいまだ目覚めることはない。サラサラとしすぎていて、結えないと愚痴をこぼしていた髪を手で掬う。


「姉さま……早く起きないと私が食べてしまいますよ？」


　そう囁いても姉さまが起きることはない。


「……ふふ、早く起きてくださいよ。姉さまの好きな甘味をたくさん用意して待っていますから」


　鬼舞辻無惨はAの頭を撫でた。白い肌は何の反応も示さないが、起きたらきっと頬を紅くして笑顔で自分の名前を呼んでくれるに違いない。
　そう思うと自然と笑みがこぼれた。


「今日は『怪猫佐賀屋敷』を読んで差し上げますね……」


　鬼舞辻無惨は大量に積み上げられた本の山から、一冊の本を取り出した。積み上げられた本は背表紙がぼろぼろの物から新品の物まで各種あった。それは彼が週に一冊ずつ買ってきた本だった。買ってきた本を一週間かけて読み、歳月を記し、全てを保存しているのだ。


「ああ、早く姉さまと遊びたいな」


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