【ユーリ!!!on ICE】Dear Snow (ページ48)

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そんな日々が続き、Aは学校に行くことが億劫になっていた。だがそれを祖母が許さなかった。

「泣いでる暇あればさっさど学校さ行げ!!おめ、何も悪いごどしてねいじなば堂々といってればいいべった!!」

「こったにめそめそ泣いでればもっとやっかまれで終わりだど？!それでもいいじが？負げねで学校さ行げ!!馬鹿だのなんだの言うんだば、おめも言い返してやれ!!」

　そう言ってAの背中を押したのだ。小学中学とAの祖母は送り迎えをしていたしそのことは周知の事実。だからこそAをちょっとやそっとじゃ潰れないように祖母は育て上げたのだ。

　高校では無事に友達もでき、同じ趣味の仲間もでき、とても充実していた日々を送っていたのだが、ある日突然祖母に異変が起きるのである。何でもないようなことが当たり前にできなくなり、物忘れも激しくなっていたのだ。挙句の果てに夜、徘徊をしだし、夜中に大声で叫んだりと異常をきたしていた。

　すぐさま祖母を病院に連れていけばアルツハイマー型認知症と診断された。

　そこからは地獄だった。デイケアに行こうといっても祖母は全く話を聞かず、過去の記憶だけ残り、突然大声で土方で歌っていた歌を歌い出したり。お菓子を買いに行かなければといってお金を持たずにお店に行って物を獲ってきたり、Aを迎えに行かねばといって小学校にまで行った。

　その度にAの母親はもちろん、父親も頭を下げに行かねばならなかった。言うことの気かない、話も噛み合わない。そんな祖母にいらだちが募り家庭環境は最悪、うるさい!といっても祖母が静まることはない。夜に徘徊しないように手をタオルで押さえ込む。そうでもしなければ夜な夜な外に出てしまうからだ。

　たとえ記憶はなくても今まで染み付いた体の習慣が抜けずに動くのだ。

「＿＿＿」

　あれほど働いていた彼女がここまで朽ちてしまうとは近所の人達も思いもせず、悲愴な表情で見つめるのだった。