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翌日の練習でその成果は顕著に出た。リンクの上で練習をするユーリ。その演技には今までになかった何かが付け加えられ形になりつつあった。そしてそれを見ていた勇利が焦る。自分は未だに決まっていない。エロスの柱が・・・・あの後もAから借りた薄い本やらそれの類の本を読んだがなんだかどれも自分にしっくりと来なかった。
「____。」
勇利は気が付けばAの部屋に足が進んでいた。無意識のうちに彼女の部屋の前についていたのだった。
「Aちゃん、ちょっといいかな」
「?どうぞ」
「___」
Aの部屋に入ると勇利は正座をした。
「え?勇利さん?」
彼女は何かしらの作業をしていたのだろう。ペンを机に置くと突然正座をしている勇利の前に同じく正座をして座った。
「本、貸してくれてありがとう」
「いえいえ、で・・・・見つかったんですか?」
「それが・・・・そのどうしても僕には合わないなと思って・・・・」
「・・・・・・それって自分が男としての立場で、ということでしょうか」
「え?」
Aの言葉に勇利の思考が止まる。
「必ずしも男でなければいけないっていうことはないでしょう」
「確かに・・・・・」
「だったらあなたが女役をすればいいじゃないですか」
「へ?」
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作者名:あさぽん | 作成日時:2016年11月10日 22時