【ユーリ!!!on ICE】Dear Snow (ページ18)

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Aを引きずってきた金髪の少年はロシアの妖精と呼ばれているユーリ・プリセツキーという人物だったのだ。Aがあっけにとられているとジョギングを終えたであろう勇利が息を切らしながらドアに手を付いた。

「あ、Aちゃん！僕ねグランプリファイナルの時の体重まで絞れたよ!!!」

「お、おめでとう勇利さん」

「はぁ～これでヴィクトルからリンクに上がる許可が＿＿＿＿」

　勇利がそう言った瞬間、ユーリはその綺麗な細い足でおもいっきり、そう、おもいっきり日本の勇利を蹴り飛ばしたのだ。

「？！！」

　そして彼は勇利の頭を踏みつけたのだった。三姉妹が
まず中には入れと三人の背中を、勇利に関してはそのまま放置されていたが・・・・グイグイと押されて中に入るのだった。とりあえずAは未だに伸びている勇利に手を差し出す。

「勇利さん怪我とかないよね？」

「う、うん、ありがとね。Aちゃん」

　よっこらせと声を出して立ち上がる勇利にロシアの
ユーリは舌打ちをした。とりあえず二人が顔を合わせるだけでぎゃあぎゃあと喧嘩になるものだからAは無言で近づきふたりの胸ぐらをつかみ重っきり引き寄せるそうすれば自然と
姿勢が低くなる。そしてゴチっという鈍い音とともに二人が頭を押さえてしゃがみこむのは言うまででもない。

「何すんだよ!!」

「そういうことは本人に聞けばいいでしょ。ヴィクトルさんはリンクにいるんだし」

　そう言って息を吐き出すと勇利はご、ごめんなさいと弱々しくつぶやいたのだった。Aがリンクの入口を開けると既にリンクの上にはヴィクトルが心地よさそうに体を動かしていた。やはり世界のトップに立つ男だ。ステップ、仕草、全てが美しい。

「これは来シーズンのプログラム・・・・」

「・・・・・」

　彼はもうすでに来シーズンへのプログラムを構成し、練習していたこと、そして
悩んでいたことを聞かされる。やはり所詮は人の子なのだ。というか・・・・・ユーリと約束していたにも関わらずインスピレーションが沸いたからといってそれをほっぽって日本に来るか？
頭の片隅でそう思っていると話が進んでいたらしく。

「一週間後に発表会をしよう！！」

「「はぁ？！！」」

「もちろん、Aにも手伝ってもらうからね!!」

「は？」