★密告7★ ページ7
次の日、いつものように俺が登校していると後ろから声をかけられた。
「山口くん!」
「加州さん」
おはよ!!といって俺の背中を叩いた。加州さん意外と力強いね。ヒリヒリします。
加州さんと歩きながら昨日見たテレビの話をする。加州さんはそれに相槌を打ちながら話してくれる。意外と庶民っぽいところがあるらしい。
「そうだ、山口くんのことグッチーってよんでもいい?」
「え?」
「なんか山口くんって呼ぶと他人行儀っぽくてさ、」
「あ・・・うん」
「じゃぁ私のこと名前で呼んでよ!!」
「え?!!」
驚いて声を上げると加州さんはくすくすと笑った。
「Aって呼んで」
「う・・・・・Aっち!!」
「あはは!!いいよ」
お互いがニックネームで呼ばれるだけで少しずつ距離が近くなった気がしたのは気のせいじゃないはず。彼女と話すにつれ、彼女がどんな人か少しずつわかってきた。アニメとか漫画が好きらしくいわゆるオタクと言われるほどハマるらしい。それに好きな食べ物はバナナボート。前の学校では吹奏楽に入部してたとかいろいろ話せる仲になっていたんだ。
昼休み、彼女と一緒に教室でお弁当を食べていれば急に教室が騒がしくなった。
「あ!!いたぞ!!」
オレンジ色の髪をした小さな彼が大柄の男ふたりを連れて教室に入ってきたのだ。彼らはシルバーの制服を着ていて黒髪の彼はゴールドの制服を着ている。
そのうちのひとりは誰と言わず・・・月島蛍だ。
「なぁなあ!!転校生って君だよね?!!」
「・・・・・そうですけど・・・・」
「すっげー!!目真っ赤!!」
ギャーギャーとわめきたてる彼の首根っこを黒髪の目つきの悪い青年が引っ張り頭を殴った。
「うるせぇ!!日向ぼげぇ!!」
「痛って〜な!!おもいっきしなぐんじゃねえよ!!影山!!」
「あ〜もううるさいから王様とチビちゃん」
「んだと?!」
そろそろ収集がつかなくなってきたなと思ったとき、黙っていたAっちが口を開いた。
「私になんのようで?」
「、ボクとギャンブルしない?」
彼の言葉に教室にいた生徒たちが一斉にざわめいた。
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作者名:あさぽん | 作成日時:2016年6月9日 23時