★密告33★ ページ33
Aはそう言うと悲しそうに表情を歪めた。
「Aっち？……」
見かねた山口がAを呼ぶと、その表情は一瞬にして消え去った。さっきまでの表情がまるでウソだったかのように。
＿＿＿、Aっちに何があったんだろう…
山口が考え込んでいるとAは立ち上がり、日向の手を取った。
「じゃあ早速、仲直りしましょう!!影山くんと！」
「「はぁ?！！」」
彼女の発言にふたりは口を揃えて声を発した。
何言い出してんの?!この子!!ってか本当Aっちってわけわかんない!!ついていけてないの俺だけじゃないよね?!!
思わず日向の方を見れば日向もぽかんとしているし、理解できていない。そりゃそうだ。急に仲直りだ？？無理でしょ!!一気に地位が落ちた影山になんて声をかける？仲直りしようだなんて言ってあいつが頷くわけがない、ましてやプライドが高い男だ。一筋縄じゃ・・・・
ん？・・・・・
ふと山口はAの方を見つめた。
ギャンブルに関しての今までの彼女のことを振り返ってみる。
そして山口の頭の中にある仮説が成り立つ。
「＿＿＿＿＿もしかして、Aっち・・・・影山にギャンブルを申し込むの?!」
「え？！！加州さんが？！！」
「違うよ。ギャンブルするのは日向くん」
Aの言葉に日向は目をぱちくりとさせた。
「私はあくまで発案しただけにしかすぎないけどさ。これが成功するかしないかは日向くんにかかってるの」
「俺に？＿＿＿」
「そう、日向くんがディーラー」
「「ええええええええええ?！！」」
中庭に俺と日向の声が響き渡ったのは言うまででもない。
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作者名：あさぽん | 作成日時：2016年6月9日 23時
