★密告２６★ ページ26
「賭け金は４０００万円でどうかしら」
「構いませんよ。始めましょう」
そう言って楽しそうに笑うAに山口は頭を抱えた。どうしてこの子は後先考えずに目の前のギャンブルに食らいつくのだろうか！!
「Aっち・・・・」
「彼女、ある意味ギャンブル狂だね」
「・・・う・・・・そうですね・・・」
「・・・・・でも・・・・・なんかあの子見たことあるんだよな・・・・・」
「？」
夜久のつぶやきに山口は首をかしげた。だがふたりは食い入るように彼女たちの戦いに釘付けになるのである。最初は二人の賭けはハズレたためチップの移動は無し。
「・・・・・・でも、本当呆れますね。美人なくせしてやってる手口は人以下、クソみたいなもんですね」
「は？」
Aはニコニコとしながらとんでもないことを言い放ったのだ。
「?!てめえ！!」
「だってあなた清水潔子って清らかな水に潔い子とかくんですよね？あなたのご両親は美しく、真の通った子に育って欲しいと願ってお名前をつけられたのでは？」
「・・・・・・」
「なのに、あなたはわざと月島くんに仕掛けたんじゃないんですか？公式戦を挑ませるように。あんなにクレバーと言われている彼がポチになったからとは言え頭に上がって無理にリスクをかけてまでやろうとは思えないんです。彼なら地道にコツコツゲームで勝ち進めていくと思うんですよ。」
でも月島くんは相当追い込まれていたようでその善悪の判断がつかなかったようですね。
「だからあなたはわざと美味い話、それも飢えた獣達には極上の餌を垂らした」
「・・・・・」
「絶望にまみれた彼に甘い希望の糸を垂らすけれどもその糸をあっさりと切り落として地獄に落とす。そんなの闇金業者と同じじゃないですか？甘い話に乗らせて最終的にはひどい取立てをする彼らと同じ。下衆のすることじゃない。しかもそれが生徒会のメンバーですって」
口元に手を当ててくすくすと笑うAに対して清水の顔はどんどん歪んでいく。
「あなたさぞかし甘やかされて周りからちやほやされて生きてきたのでしょうね。だから自分の作り上げた楽園を壊されたくない。壊される前に根こそぎもぎ取ってしまえばいい。その簡単なこと」
「この学園自体もそうですけれど、ちゃんちゃらおかしくて
マジウ〜ケ〜る〜♪」
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作者名：あさぽん | 作成日時：2016年6月9日 23時
