★密告12★ ページ12
「いいよ、やってやろうじゃん。」
「ふふ。」
ふたりはカードを引く。
月島___グー1枚 パー2枚
勝った。
月島が笑みを浮かべると加州は口を開いた。カードを口元に当てると真っ赤な真紅の爪が嫌というほどきらりと輝いて見えた。
「気が付いてないとでも思った?あなたのイカサマに」
「は?」
「みんな、月島くんに協力しているよね?」
だって、私がかける額を上げた時に同じ手を二回も使ってくるのだから。
確率を考えればなんとなくわかりました。でも、結局は運任せでもあるのですけれどね?
彼女はそう言うとニッコリと笑った。そしてあるカードに手を置く。
「では参りましょうか」
「じゃんけん・・・・・」
ぽん
____月島 パー
___加州 チョキ
「シルバーの月島が負けた?!!」
「え?っていうかシルバーの上納金ってブロンズよりも額が上になるんだよね。それに今回のこの負けの金額を合わせたら・・・・・・」
「月島様って・・・・弱者に?」
クラスがざわめく中、彼女は淡々と続けた。
「さて・・・・・私の負け分を差し引いて2880万円。お支払いいただけますよね?即金で」
「っ」
無理だ・・・・・即金で2880万なんてただでさえうちは上納金でギリギリ出せているくらいだ。ギャンブルの金は自分で貯めてた。ほかのやつらに貸したりして今残っているのは1000万・・・・1880万足りない
「っ・・・・・」
「払っていただけますよねぇ?」
「今は・・・・・ありません。数日待っていただけないでしょうか」
月島が頭を垂れるとAは立ち上がりニッコリと微笑んだ。
「ツッキー・・・・・「グッチー、帰ろう?」
「え?・・・・あ・・・・・う、うん」
「あ、それと・・・・月島くん」
「ご友人は大切にしなきゃダメだよ?」
___こうして最初のギャンブルは幕を閉じた。
「え〜?!ツッキー負けちゃったの?!」
「まぁ、生徒会のメンバーでも負ければ弱者だからね」
「・・・・・・」
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作者名:あさぽん | 作成日時:2016年6月9日 23時