★密告11★ ページ11
「は?」
彼女の言葉に月島はぽかんとした。日向や影山も加州を見つめ驚いている。
「別に・・・・構わないけど・・・・・いくら追加するの?」
「3000万で」
ザワっ
教室が一気に騒がしくなる。それもその筈だ。
「Aっち?!!本気で言ってるの?!それで負けたら3000万も借金するんだよ?!」
「あら、でも掛金の上限はなかったでしょう?」
「でもっ」
山口が彼女に駆け寄れば加州はそれを手で制した。月島も少しばかし動揺を隠せずにいた。
「ちょっと・・・・・そんなん認めるわけ無いでしょ。即金でもない限り膨大な額を・・・・」
「そうですね、あ、グッチー教室から私のカバンを持ってきてくれませんか?」
「へ?あ・・・・うん」
山口は急いで教室に戻り彼女机の横にかかっているカバンを持ち月島たちのいるクラスに駆け込んだ。
月島サイド_____
この女何考えてやがる・・・・・一気に三千万を賭けるだと?
「Aっち!持ってきたよ!!」
「ありがとう。グッチー」
彼女はそう言うとカバンを漁り何かを机の上にどんと置いた。
「即金で三千万。これで問題はないですよね?」
「?!!」
どっから出してきたの?!
まさか持ち歩いてたとか?!
クラスが一気に騒がしくなる。
「バッカじゃないの?!たかがジャンケンに3000万賭けるなんてそんなの正気じゃな「だからいいじゃないんですか?」
「はぁ?」
メガネがずり落ちることなんて気にすることができなかった。目の前にいるコイツはなにを言っているんだ?真っ赤な彼女の瞳を見た瞬間、背筋がゾクリと震えた。
「ギャンブルとはそもそも狂気。スリルがあるからこそ成り立つものでしょう?お金は資本主義で生きていく中で命と同等以上に価値が有る。金がなければ生活するのは困難。この生きるかタヒぬかのギリギリのラインで賭けをするからこそ、面白みがある。快感があるんじゃないですか!!」
「なっ」
「崖っぷちに立たされた時のあのスリル・・・・・・本当に病みつきになってしまうわ!!」
手を組んでうっとりと恍惚と潤んだ真紅の瞳、その瞳の奥に狂気がギラギラと光り輝いていた。
「あ、それとも怖気づいてしまいましたか?こんな凡人にゴールド枠のあなたが負けることに」
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作者名:あさぽん | 作成日時:2016年6月9日 23時