☆恋に落ちてしまった【冨岡義勇】 ページ12
今、竈門炭治郎とAは絶望の中、なんとかもがいて生きていた。
竈門炭治郎は、鬼となった妹だけを頼りに足を動かし、Aは、そんな炭治郎を守る為に足を動かした。
「頑張れ!!頑張れ!!」
「禰豆子ちゃんっ…!」
炭治郎とAの声を聞いた禰豆子は、ボロボロと涙を流して兄を見つめる。
そんな時、後ろから禰豆子を斬ろうとし炭治郎によって塞がれた男は、冨岡義勇。
鬼殺隊の柱である男だが、この時の炭治郎とAは露知らず。
「なぜかば………。」
炭治郎は、それは不思議に思った。
殺意100%で自分の妹を襲った奴が、急に黙り込み幼馴染のAを見つめている。
「Aは鬼じゃなっ……い……?」
まさか、と思い炭治郎は冨岡を止めようとしたが、唖然とした。
何故、この男はAを見つめて赤くなっているんだ!!!と。
「名前は……?」
「A…です。」
ほらみろ、Aだって怯えているじゃないか!!
A、こっちへ来い!俺が守ってやる!
と、叫びたい炭治郎だが鬼化した妹を守ってる手前、Aまで守れる余裕はない。
冨岡が手を出しそうになったら、禰豆子を抱えAを守ろうと、炭治郎は冨岡とAを見守った。
「好きな食べ物は…?」
「お魚です…。」
「す、好きな男は……!?」
「え!?い、いません!!」
「そうか。」
いや、待て。禰豆子を斬ろうとした男。
初対面に話すにしたって、あまりにも口下手すぎる!!
と、炭治郎は奥手すぎる冨岡に対しツッコミたくなったが、我慢した。
長男だから。
「……狭霧山の麓に住んでいる鱗滝左近次という老人を訪ねろ。冨岡義勇に言われてきたと言え。」
炭治郎に向かい、発したその言葉に驚いた。
戸惑い顔を見せていたのだろうか、冨岡は無表情で話し始めた。
「鬼化し、体力を相当消耗しているはずのお前の妹は、いつお前を喰っても可笑しくなかった。だが、今そいつはお前より俺を睨んでいる。」
ばっと後ろを振り返ると、確かに冨岡に睨んでいる禰豆子がいた。
「俺は、これで去る。」
あっという間にいなくなった冨岡に、炭治郎とAは混乱しつつ、歩き出した。
一方、冨岡は赤くなる顔を抑えつつ、先程出会った可憐な少女を思い浮かべた。
「A、か。早く、鬼殺隊に…。」
早く、自分の手の届く所へ。と、呟き冨岡は次の任務へ向かった。
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青魔導師(スマホ) - 最&高だった。それで、前に調べ物してる時に知ったんだけど、母乳や◯液って血から作られるらしい。という事はつまり……しばらくは困らないね? (2019年12月17日 0時) (レス) id: ac185f7a00 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - またリクエストいいですか?夢主柱で夢主は煉獄と協力して伊黒実弥にドッキリをする。煉獄が血鬼術で耳が遠くなったと伊黒実弥に話す。伊黒実弥信じて他の柱達に煉獄が血鬼術にかかった事を話してしまう。お願いします。 (2019年12月16日 10時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
らむん(プロフ) - 美桜さん» いえ!こちらこそ、ありがとうございました! (2019年12月16日 4時) (レス) id: ff4d4c9823 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - らむんさん» ありがとうございます。煉獄の話良かったです。 (2019年12月14日 10時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
らむん(プロフ) - プッツンさせたいなぁ…とか、色々考えているので楽しみにしててくださいね!! (2019年10月21日 8時) (レス) id: ff4d4c9823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らむん | 作成日時:2019年8月1日 2時