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任務に手間がかかり、帰るのが朝になった頃、扉を開けだらしなくも呼んでしまった。
「杏寿郎さーん?まだ任務ですかー?」
静寂が包み込む空間では、何故だか悪寒がした。
きっと、太陽のように暖かい彼が居ないからだろうと、朝餉の用意をし始めた。
ら、杏寿郎さんの鴉がそばに来た。
少しだけ言うのを躊躇い、意を決したように翼を広げ私に向かって言葉を投げた。
「カァー!キョウジュロウハ、ジョウゲンノサンニヤブレタ!!」
「……え?ちょっと、え?破れたって…?」
頭が追いつかない。呼吸が上手くできない。
鴉が申し訳なさそうにしているのが、目の端に映ったが、今はそれどころではない。
昨日までは、隣にいた愛しい人がもういないのだ。
死んでしまったのだ。私の最愛の人は。
これからどう生きる?
共に生きようと、共に歩もうと約束したあの人はもういないのだ!!
ああ、待って下さい、杏寿郎さん!
私も、私も、今、同じ所へ。
日輪刀を抜いて首に当てた瞬間、熱を帯びたように熱く、そして何故か心地よい温かさがあった。
「死ぬな!!A!!」
「杏寿…郎、さん?」
声が聞こえた気がして、後ろを振り返る。
そこには勿論誰もいなかったが、私の手に日輪刀はもう握っていなかった。
「…狡い人。貴方は死んでしまったのに、まだ私の心を捕らえるんですね。」
落ちた日輪刀を鞘にしまい、朝餉の用意を進めた。
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青魔導師(スマホ) - 最&高だった。それで、前に調べ物してる時に知ったんだけど、母乳や◯液って血から作られるらしい。という事はつまり……しばらくは困らないね? (2019年12月17日 0時) (レス) id: ac185f7a00 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - またリクエストいいですか?夢主柱で夢主は煉獄と協力して伊黒実弥にドッキリをする。煉獄が血鬼術で耳が遠くなったと伊黒実弥に話す。伊黒実弥信じて他の柱達に煉獄が血鬼術にかかった事を話してしまう。お願いします。 (2019年12月16日 10時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
らむん(プロフ) - 美桜さん» いえ!こちらこそ、ありがとうございました! (2019年12月16日 4時) (レス) id: ff4d4c9823 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - らむんさん» ありがとうございます。煉獄の話良かったです。 (2019年12月14日 10時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
らむん(プロフ) - プッツンさせたいなぁ…とか、色々考えているので楽しみにしててくださいね!! (2019年10月21日 8時) (レス) id: ff4d4c9823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らむん | 作成日時:2019年8月1日 2時