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幸い、ホソクさんも支度をしに遠く行っていたので誰にも聞こえていないようだけど、メンバー云々より私が聞きたくない。
私がジンさんの呼び方を模索していた、その事実がなんか恥ずかしいのでさっさと帰る準備を進めていただきたい。

「ヤンコチ食えます?」
「食えますが…」
「うまい店があるんですけど」

今日は無理なんでカトク交換してください、と流れるように連絡先を交換した。いつかこれでもかと奢らされるらしい、まぁあんまり食べそうじゃないし、ブランドものじゃないだけ良いか。
それで私の小さなプライドが守られるなら、代わりに何かを失っている気もするけど。

メンバー全員を乗せての運転は中々緊張感があって心臓に悪かった。こんなに多忙なんだから運転手くらい雇えばいいのに、明日早速提案しようかな。
7人の寝息、時々いびきをBGMに夜の街を走らせていると、「爪、可愛いね」と突然後ろから声が聞こえた。
7人だと思ったら6人だったらしい。心臓が飛び出しそうになり声を上げてしまいそうになるのを必死に抑えて、バックミラーを確認すると、ジンさんが伏せ目がちに微笑んでいるのが見えた。

「…起きてたんですか」
「なんで敬語使うの?」
「私がマネージャーで、ジンさんがタレントだからです」

業務的な答えだった。
マニュアル通りに答えて、折れてくれないかと考えての。

実際私の言ったことに間違いはない。そりゃあこの先もっと仲良くなるかもしれないけど、少なくとも今の私にはメンバーにタメ口で話す余裕も勇気もない。
ジンさんはため息をついて、「ドヨンは会って2時間で呼び捨てタメ口だったのに」と衝撃の事実を漏らしている。あいつ何やってるんだ。友達じゃないんだぞ。

「…まあ、男性同士だと距離も縮めやすいんじゃないですかね」
「じゃあいつから同じくらい距離縮まる?」
「それはわかんないですけど…善処します」
「おぉ!善処してね!」

明らかにテンションの上がったジンさんの後ろにふわふわなしっぽが見える。やっぱり犬だ。
頑なに否定していては築ける関係も築けなくなってしまいそうで、心配性が全面に出た故の判断だったけど、功をなしたようだった。

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名無し(プロフ) - アイアイさん» 嬉しいコメントありがとうございます!がんばります…! (9月11日 10時) (レス) id: 6f5415b4b3 (このIDを非表示/違反報告)
アイアイ(プロフ) - 2人のやりとり好きです❤️否定も肯定も出来ない関係がリアルですね!更新これからも楽しみにしてます! (9月4日 19時) (レス) @page30 id: ef22ae402e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無し | 作成日時:2022年10月4日 19時

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