"雪"の名を持つ彼らの日常 (ページ24)

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どうせもう嘘はバレてるし、と開き直って枕を抱き寄せ、顔を埋める。
大介兄さんはそんな俺に何も言わず、ただ俺の近くまで歩いてくる足音だけが聞こえてきた。

その音が止まったと思ったら、次はぽすんと体が浮くような軽い衝撃が来て、大介兄さんがベッドに座ったのがわかった。

どうして何も言わないんだろ、と恐る恐る顔をあげようとした時、優しい温かさを頭の上に感じて、動きを止めた。

大「りょーちゃんも大きくなったでやんすね〜」

穏やかな声でそう言って、大介兄さんが俺の頭を撫でる。

…懐かしいな、俺が小さい時にいじけてた時はよく、大介兄さんがこうやって頭を撫でてくれたっけ。

何だか鼻の奥がつんとして、目の奥が熱くなってきたので少しだけ枕に顔を押し付け、誤魔化すように声を上げた。

亮「…そうだよ、大介兄さんよりもね」

大「んにゃ！なんだとぉ！言うようになったな！髪の毛ぐしゃぐしゃの刑に処す！」

亮「うわっ！ちょっとやめて兄さん！っあはは！」

俺の挑発に乗り、いつも通りの明るい様子で俺の頭を撫で回す兄さんになんだかさっきまで暗く考えていた自分が馬鹿らしくなって、思わず笑った。