検索窓
今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:13,503 hit

その先へ ページ49

浅野塾に着くと、學峯お兄さんは仕事が終わったようで、塾の扉を閉めていた。




「學峯お兄さん!」



「Aちゃん。

卒業式終わったんだね。」




「うん!

パパがね、今日はお寿司だって。」



「そうか。」



學峯お兄さんに頭を撫でられて、私は笑顔を返す。



「卒業おめでとう。」




「えへへ、ありがとう。」




「行こうか。」




「うん!」




前に、私は思い切って學峯お兄さんへ思いを伝えたことがあった。



學峯お兄さんが好きだということを。







「學峯お兄さん…私、學峯お兄さんが好き。

ずっと好きなの。」



「そうか……ありがとう。

でも、私は……「知ってるから。」えっ?」



答えなんて知ってる。


學峯お兄さんは私のことを大切な娘だって思ってる。



それに、學峯お兄さんは



「クロお姉ちゃんが好きだったんだよね?」



「Aちゃん……」




「だって、クロお姉ちゃんのことは、クロって呼び捨てなのに、私のことはずっとAちゃんなんだもん。

私…學峯お兄さんの特別にはなれないって分かってたから。

それでも…好きだったこの気持ちだけは伝えたかった。

クロお姉ちゃんに対抗したかったのかな……えへへ。」



學峯お兄さんは、ごめんねと言って私の頭を撫でた。




これで良かったたんだ。

すっきりした。














家に着くと、大きな大皿にはこれでもかと大量のお寿司が並んでいた。




どんだげ作ったの!!?




「いや〜作った甲斐があります。」


「化け物だよ、この人……」


どうやら勝負はパパの勝ちらしい。



学秀お兄ちゃんは、悔しそうにしていた。









「ねぇ、パパ……

私、これからもパパの側にいるからね。」



「はい。

ちゃんとAの成人式の写真を撮る計画はすでに考えていますから。

安心して下さい。」




いや、さすがにそれはまだ早いような……


でも、きっとあっという間なんだよね。


これからも私の時間は続く。




私は、まだ見ぬ未来に向かって、進んで行くんだ。







(終わり)

作者から→←別れ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
23人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

江華 - 番外編も更新頑張ってください! (2018年11月15日 21時) (レス) id: fbe2f2b326 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 江華さん» 完結はしましたが、本編で載せられなかったお話しがいくつかあるので、番外編を出したいとは思っていました。丁度お声を下さりありがとうございます! (2018年11月15日 21時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 江華さん» コメントありがとうございます。すいません、返信遅くなりました。最後まで読んで下さりありがとうございます。作者の励みになっております! (2018年11月15日 21時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
江華 - 完結お疲れさまデーース! これで完結、なんか寂しいです(泣) 、時間があれば番外編書いてくれますか? (2018年11月14日 19時) (レス) id: fbe2f2b326 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 江華さん» コメントありがとうございます。すいません、返信遅くなりました。スランプ気味で亀さん更新ですが、少しずつ更新出来るよう頑張っていきますので、応援宜しくお願いします。 (2018年5月10日 22時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年5月2日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。