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無力感 ページ4

ギュッ!


突然私の体は學峯お兄さんによって抱きしめられた。




ふわりと体が包み込まれたことに驚いて、私は學峯お兄さんに顔を向ける。




膝を床に付け、私を抱きしめる學峯お兄さんと、目が合う。




「學峯お兄さん……?」




「君が無事で良かった……」




「私も、學峯お兄さんがなんともなくて良かった……」



両手を伸ばし、學峯お兄さんの体に両腕を回す。




「怖かったの……

學峯お兄さんが傷つけられた姿を見て、私……

私、怖くて、何もできなくてっ……



ひっく、ふっ……ううっ……」




思い出しただけで涙が出る。



今になって体が震える。




この人に何かあったら嫌だ。



私の所為で傷つけられたくない。






先程よりも抱きしめる力を強めた學峯お兄さんは、大丈夫だと、言ってくれた。





「學峯お兄さん、學峯お兄さんっ……


ひうっ、ふくっ……うっ……」



彼は私の背中を優しく撫でてくれる。




「學峯お兄さん、學峯お兄さん……」




何度も彼の名前を呼んで、その度に學峯お兄さんは私を安心させてくれる為に背中を撫でてくれる。



それが、嬉しくて、安心できて




でも……




無力だった自分もいて




複雑で、頭の中はぐるぐるする。





「こっちを向いてごらん……」




「ひっく、ふっ……」



首を縦に振り、學峯お兄さんの方に向く。




「私は大丈夫だよ。


頑丈だから。

ねっ、だからもう泣き止んで。」




私の頭を優しく撫でてくれる。




「ふっ、うんっ……ひうっ……」




ポロポロと流れていく涙を止めようと、私の涙を拭う學峯お兄さんの指が目元に触れる。



「泣き虫だね。」




困った顔で、でも私に微笑んでくれる。





ポンポンと優しく背中を叩くリズムに少しずつ、落ち着きを取り戻すことが出来た。

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江華 - 番外編も更新頑張ってください! (2018年11月15日 21時) (レス) id: fbe2f2b326 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 江華さん» 完結はしましたが、本編で載せられなかったお話しがいくつかあるので、番外編を出したいとは思っていました。丁度お声を下さりありがとうございます! (2018年11月15日 21時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 江華さん» コメントありがとうございます。すいません、返信遅くなりました。最後まで読んで下さりありがとうございます。作者の励みになっております! (2018年11月15日 21時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
江華 - 完結お疲れさまデーース! これで完結、なんか寂しいです(泣) 、時間があれば番外編書いてくれますか? (2018年11月14日 19時) (レス) id: fbe2f2b326 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 江華さん» コメントありがとうございます。すいません、返信遅くなりました。スランプ気味で亀さん更新ですが、少しずつ更新出来るよう頑張っていきますので、応援宜しくお願いします。 (2018年5月10日 22時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年5月2日 23時

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