お墓参り ページ13
次の日
「やあ姫！
迎えに来たよ。」
学ラン姿の京介は私の元にやって来ると、笑顔を見せる。
「京介……」
「言っておくけど、この間のことをあいつに謝るつもりはないからね。」
京介の指差す先には學峯お兄さんがいた。
「ただ、君を怒らせてしまったことついては謝るよ。
ごめんね。」
申し訳なさそうに謝る彼に、私は頷く。
京介のことを許せないとは思っていたけど、何故か憎めなかった。
京介が本当に悪い人には思えなかったからかもしれない。
「じゃあ、全員集まっているみたいだから移動しようか。」
京介はそう言うと、指を鳴らす。
次の瞬間には景色がガラリと変わり、私達はどこかの森の中にいた。
「ここはいったい……！？」
驚くパパを他所に、私は遠い記憶を思い出していた。
この森の中を見たことがあると言う既視感があったからだった。
「一瞬で移動とは、これも君の能力かい？」
「まあね。
そんなことより、お墓はこっちだよ。
姫……？」
京介に声を掛けられて、私はハッとして京介の方に顔を向ける。
「どうしたの、姫？」
「あっ、その……」
「Aちゃん？」
私の隣にへと歩いて来た學峯お兄さんは、私の手を握る。
「大丈夫かい？」
「うん……」
私、やっぱりこの場所を知ってる。
だって……
「そうか、この先だったね、姫……」
悲しそうに笑う京介の顔を見て、私は俯く。
京介も知っているんだ。
そう、この先に超能力実験施設があったのだから。
ギュッ
私は學峯お兄さんの手を握り返す。
「大丈夫、側にいるよ。」
そう言ってくれた學峯お兄さんに嬉しくて涙が流れる。
また泣き虫だって言われちゃう。
泣いちゃいけないのに。
でも、色々あった場所だから、パパやママのことや実験のことなどを思い出して、さらに涙が止まらなくなった。
「ふっ、うっ…ひくっ……」
「A！！」
慌てたパパの声が聞こえた。
「パパ！！」
私は學峯お兄さんから離れてパパの元に向かう。
やっぱり何だかんだあっても、パパが落ち着く。
お墓参り→←クロ「はぁ〜幸せ。（學峯さんに押し倒されちゃった／／／）」學「その気持ち悪い顔はどうにかならないのかな。」クロ「ひっどーい。學峯さんにときめいてたのに。」學（本当に面倒だ。）
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
江華 - 番外編も更新頑張ってください！ (2018年11月15日 21時) (
レス) id: fbe2f2b326 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - 江華さん» 完結はしましたが、本編で載せられなかったお話しがいくつかあるので、番外編を出したいとは思っていました。丁度お声を下さりありがとうございます！ (2018年11月15日 21時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - 江華さん» コメントありがとうございます。すいません、返信遅くなりました。最後まで読んで下さりありがとうございます。作者の励みになっております！ (2018年11月15日 21時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
江華 - 完結お疲れさまデーース！ これで完結、なんか寂しいです(泣) 、時間があれば番外編書いてくれますか？ (2018年11月14日 19時) (レス) id: fbe2f2b326 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - 江華さん» コメントありがとうございます。すいません、返信遅くなりました。スランプ気味で亀さん更新ですが、少しずつ更新出来るよう頑張っていきますので、応援宜しくお願いします。 (2018年5月10日 22時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：壱 | 作成日時：2018年5月2日 23時
