伝えたいこと ページ47
「ずるいっ……」
「ん？」
思わず思ってた言葉が出てしまい、私は慌てて口を手で押さえた。
そんな様子を學峯お兄さんが見逃すはずはなく、どうしたの、言ってごらんと聞いて来る。
何か、今日の學峯お兄さんはグイグイ聞いて来る感じで推しが強い。
「Aちゃん、教えて？
私は何を聞いても怒らないから。」
私の頬に手を当てて優しく撫でる姿は、ずっとずっと好きな學峯お兄さんで、私は頬が熱くなるのを感じた。
やっぱり、好き。
學峯お兄さんが私のことを子どもだって思ってても、私は學峯お兄さんが好きなんだ。
カッコよくて優しくて、Aのことをいつも考えてくれる。
そんな學峯お兄さんが私は好き。
「へ、返事……」
「ん？」
「好きって言わないで！！」
私は學峯お兄さんに抱きつく。
もらった子に好きって言ったら、私のことを好きになってくれなくなっちゃう。
だから、言わないで。
學峯お兄さんの顔を見上げると、彼は困ったような表情をして、でも直ぐに嬉しそうに笑う。
「うん、分かった。」
「ほんとに？」
「ああ、本当だよ。」
約束すると言って、學峯お兄さんの小指と私の小指が絡み合う。
指切りげんまんをすると、なんだか安心できた。
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學峯side
深夜
ふと目が覚めた私は、ベッドに肘をついて手を顔につき、体を横に向ける。
隣でスヤスヤと眠るAちゃんの毛布を肩まで掛けてあげた。
月明かりに照らされた彼女の寝顔に微笑む。
だが、背後で感じた気配に顔を歪めて、私は上体を起こした。
「何の用だい？」
「嫌そうな顔をするなんて、學峯さんて失礼だよね。
人がせっかく、この子がいた場所に連れて行ってあげたのに。」
クロは壁にもたれかかり、私に顔を向けていた。
「それについては助かったよ。」
「そう。
で、今日は仲良く一緒に添い寝なんだ。」
何やら嫌味のこもった言い方に、私杯苦笑いを浮かべた。
「一緒に寝て、何か問題でも？
Aちゃんにお願いされたんだ、一々君にとやかく言われたくないね。」
「ふ〜ん。」
何か意味あり気に、ニヤニヤと笑うクロを見ると気味が悪い。
「失礼ね、気味悪くて悪かったわよ。」
そうだ、思考を読み取る力があったかと、私は思い出した。
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壱(プロフ) - トートさん» コメントありがとうございます。いつも読んで下さり、嬉しい限りです！至らない所ばかりだと思いますが、これからも応援宜しくお願いします。 (2018年5月3日 20時) (
レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
トート - 毎日飽きずに読ませてもらっています！ 壱さんの作品大好きです！！これからも更新頑張ってください！ (2018年5月3日 7時) (レス) id: fbe2f2b326 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - 江華さん» 江華さんのお伝えして下さった通りが正しいです。ありがとうございました。これからも何かお気付きの点がございましたら、コメントを頂けると幸いです。 (2018年4月6日 20時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - 江華さん» コメントありがとうございます。ご指摘の部分は修正をさせて頂きました。 (2018年4月6日 20時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
江華 - 『くろちゃんね、みみちゃんのことが好きなの』と書いてありますが、 くろちゃんはみみちゃんのことじゃなく、りんちゃんのことが好きなのですか？ (2018年4月6日 14時) (レス) id: 07e0c54fce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：壱 | 作成日時：2018年3月21日 16時
