今度はラブコールかよ ページ6
コロン
目の前に紙コップが転がってきた
なんだなんだとフレッドはそれを拾い上げ、クルクルと回転させて、ついにカップの底を見た時、後悔の表情を浮かべた
うっわ、拾わなきゃよかった、と小さく呟く
隣にいたジョージも気になってコップの底を見た
そしてなぜフレッドがこんなにも嫌そうな顔をしたのか、すぐにわかった
そこには
"愛しのフレッド！これはアナタ専用の電話よ！
私が毎朝ラブコールしてあげる！"
との文字が書かれていた
一体どうやってこれでラブコールをするつもりなのかは知らないが、フレッドにとってこれが学校生活をドン底に陥れる最悪の代物であることに変わりはない
「なァにがラブコールだよクソが.....こんな紙コップで何ができるって言うんだボケ......」
「フレッド、手、手」
フレッドの手に握られた紙コップは、今まさに悲鳴が聞こえてきそうなほどミシミシと潰れている
罪のない紙コップが可哀想に見えてきた
「ふざっっっっっけんな！！！！！！いらねーわこんなもん！！！！！フン！！！！！！！」
パコォン！！と良い音と共に紙コップが地面に叩きつけられる
ジョージは、自分があの紙コップだったらと思うとゾッとした。紙コップの泣き声が聞こえてくるようだ
もしあの紙コップがAだったら...とも想像してみたが、
どう思考を凝らしても喜んでる姿しか想像できないのでやめた
「フレェッド....流石にポイ捨てはいけないと思うぜ？」
「ポイ捨てじゃない、落ちてたものを戻しただけだ！」
「でもゴミにしたのはお前だ」
フレッドがキッとジョージを睨み、ジョージは肩をすくめた
Aの字がくしゃくしゃのコップの底から覗く
「この紙コップもこんなクシャクシャになる為に生まれてきたわけじゃなかろうになぁ？」
「アイツが触ったものは全部俺がゴミにしてやる」
「怨念籠りすぎだろ」
ジョージは地面に打ちつけられたくしゃくしゃの紙コップを広い、それをわざとらしく丁寧に元の形へと押し広げた。「何拾ってんのジョージ！？いらねぇよそんなの！捨てようぜ！？」とフレッドは叫びながらジョージの手から奪い取ろうかと思ったが、
ジョージが可哀想にな...シクシク...と言いながら背を向けて手を止めずにやるので奪い取れず、後でクソ爆弾口に詰めてやる、と心に固く誓った
そして広げ終わるとジョージは、その紙コップに口を当てた
「やぁ、俺はフレッド？それともジョージ？
当ててごらんよ、ラブコール業者のお方？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 168人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちとせ(プロフ) - ちぢぶさん» レスにレス失礼します、ええー！ええー！すごくすごくすごく嬉しいです（ ; ; ）続編もとっても楽しみです☺︎ (2023年3月5日 11時) (
レス) @page50 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - ちとせさん» わ〜！ありがとうございます〜！！是非これからも3人の物語を見守っててくださいませ...！私もちとせさんの作品を愛読させて頂いてます...！！大好きです...ﾍﾍ...^^*こちらこそ応援してます！更新頑張ります！ (2023年3月5日 9時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - コメント失礼します☺︎女の子とフレッドくんはもちろん、ジョージくんも可愛くてかっこよくて素敵です、みんな幸せになって〜〜の気持ちで読んでます（ ; ; ）これからも応援してます、すきです♡♡ (2023年3月4日 21時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - rapierさん» わー！ありがとうございます...！嬉しいです...更新頑張ります！ (2023年2月25日 20時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
rapier(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです!応援してます‼︎ (2023年2月25日 19時) (レス) @page7 id: bda167fb53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちぢぶ | 作成日時：2023年2月18日 0時
