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6.ごめんね不死川。 ページ6

「往生際が悪いですね…だからみんなから嫌われるんですよ。」




やがて、痺れを切らしたように胡蝶が静かに言い放った。

彼女にしては言葉選びがだいぶ適当である。もうなんでもいいからさっさとAを連れて出掛けたいらしい。


そんな胡蝶の言葉に思わず固まった2人。


あわあわするAと押し黙る冨岡、再び訪れる沈黙。


もう現場はカオスである。誰の手にも負えないだろう。





「俺は、嫌われて……。」





無表情だった冨岡が何かを言いかけて、そしてはっとしたようにAを見た。




「(どうだろうか。果たして、俺は本当にAに嫌われていないと言い切れるのだろうか。)」




いつもならきっぱりと「嫌われていない」と告げる冨岡だったが、自分の好いている相手の前では自信が持てなくなるらしい。


開きかけた口を閉じて、黙りこくる冨岡。




そんな時、発言するタイミングを見失っていたAが、恐る恐る口を開いた。





『わ、私は…冨岡さんのこと好きですよ?』





刹那、冨岡は全身に雷が落ちたような感覚に陥った。




…スキ…?…トミオカサン…?

トミオカサンとは俺のことか…?



「冨岡さん、好きですよ」というだいぶ都合の良いように切り抜かれたAの声が脳内で何度も再生される。


Aがフォローのつもりで言ってくれた言葉…というのも重々承知である。

それでも嬉しい。…いや、めちゃくちゃ…てか死ぬほど嬉しい。




「……。」

『…冨岡さん……?おーい、冨岡さん。…え、大丈夫ですか!?』

「大…丈夫ッ…だ。」



白目を剥いて廃人と化した冨岡を見て、Aが悲鳴を上げた。

すべてを察したらしい胡蝶が、隣でやれやれといったふうにため息をつく。


もう今度こそ状況が分からない、3人も「あれ、自分ら何してたんだっけ」と思い始めていた。



そんなことの後しばらくして、発言の許可を求めるようにAが片手を上げた。





『……あ、えっと…それと、この後は不死川さんとおはぎ食べに行く約束してるので…ごめんなさい。』

「「……。」」



申し訳なさそうに2人に告げたAに、冨岡と胡蝶は思わず顔を見合わせた。








*****








「…何でお前らまでいやがんだァ!?」


「「まあまあ、落ち着け/いて下さい。」」

「いなすんじゃねェ!帰れ!」




半ば強引に不死川とのおはぎ会に同席した2人は、後で不死川にキレ倒されたそうな。(結局4人でおはぎ食べた)

7.師範という人。→←5.上司たち。



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美穂(プロフ) - こんばんは☆これからの更新楽しみにしてます♪ (2020年12月4日 0時) (レス) id: f672b2976e (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 我妻ライさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!がんばりますね( *´艸) (2020年11月6日 22時) (レス) id: e457bdd78b (このIDを非表示/違反報告)
我妻ライ - 面白いです!更新がんばってください!( ´∀`) (2020年11月6日 17時) (レス) id: 895c90ff24 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者 | 作成日時:2020年9月18日 22時

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