【実.況.者】君と僕の恋愛事情【短編集】 (ページ21)

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しばらく俺達は息を殺していた。

息より、心臓の音のがうっさいけど。

ずっと、ドクドクいってる。

もう、アイツのか俺のかもわかんねぇくらいに。

先生「･･･んー、空耳か？」

先生2「多分疲れてるんですよ、もう戻りましょ」

そのあと、扉が閉まる音がした。

俺はロッカーからそっーとでる。

もう、いないな。

キ「おい、出ていいぞ」

『･･･う、うん』

あー、もう俺がしたんだけどやっぱ目のやり場困るわ。

キ「ほら、これ着とけ」

『･･･え、？』

俺は自分の学ランを鞄から取りだし、手渡した。

『･･･あ、あの、、』

キ「目のやり場困るんだよ、･･･っ、は、早く着ろ！！」

『自分がやったくせに･･･』

キ「そ、それはごめんって。」

アイツはため息をつくと、俺の学ランを着た。

･･･わ、えっろ。

なんだろう、ブカブカで見えそうで見えないのがたまんねぇ。

『何変な目で見てんの』

キ「ご、ご、ごごごめん！！」

『･･･ぷっ、テンパりすぎww』

くっそ、案外笑った顔可愛いじゃねぇか･･･。

『あと、これまでうるさく言ってごめんね。仕事だからアレなんだけどさ･･･。案外優しいじゃん、アンタ。』

不意打ちはダメだろ。

キ「･･･俺こそいきなり、悪かった。でも、案外お前可愛いじゃん」

やっば、本音出ちまった！！

『なーに、お世辞言ってんの。じゃあね、“キヨ”。』

･･･あ、名前。

キ「おう、じゃあな、“A”。」

ほんっと、最初から最後までよくわかんねぇ奴だな。

次会ったとき、学ラン返して貰わないとな。

あ、あとAの破いた制服も弁償しなきゃな。

その後、俺たちが付き合うことになったのはまた別のお話。

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