佰伍拾肆 ページ4
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翌朝、小芭内に事の概要を説明する。
小「…は?柱の代理?…姉様、昨晩した話をもう忘れたのか」
『まさか。代理と言っても、夜中の見回りだけだよ。昼は他の隊士が警備してくれるらしい。普段の仕事も減らしてもらうことになったから、負担は軽くなるはずだ』
小「…そうか」
……とは言ったものの。
もうすぐ梅雨だからなぁ…日中も鬼が出やすくなるから結局仕事の量は変わらないんだろうなぁ……
小「…それで、この屋敷には暫く帰ってこない、と?」
『あぁ、一ヶ月以上はここを離れることになる』
小「い、一ヶ月以上……
…いいか、一日三食とは言わない。せめて一日一食だけでも摂れ。不規則な生活はするな。就寝時間を決めてその通りに寝ろ。余計な世話だろうから必ず守れとは言わん。だがここに姉様の身を案じている人間がいることを忘れるな」
おぉ…一人暮らしの息子を見送るオカンみたいなこと言う……
『わかった。肝に銘じておくよ、ありがとう』
小「それと、野宿はするなよ。宿を取れ。戸締りは忘れずしっかりしろ。人前で狐面は外すな。
あと、たまには帰ってこい。俺ではあの双子の面倒を見きれない」
『わかったよ、わかった。たまに顔を見せに来る』
その他にも結構な量のお言葉を頂き、その場は解散となった。
心配してくれてるんだなぁ。嬉しいね。若干オカン気質を持ち始めてはいるけども。
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手に付いた土を払いながら、庭を見回す。
『(ふーっ!完了!おつかれ私!!)』
はい、暇が出来たので彼岸花の球根埋めてました。
あっ、お水あげないと。
『(…………よし。
私がいない間の水やりは誰かにお願いしないとな…)』
花は直ぐに咲くらしい。確か秋頃だったかな?
長期任務が長引き過ぎると花を拝めないかもしれない。それだけは勘弁だな。こんなに頑張って埋めたんだもんな。
『(………さて…)』
太陽が真上にある。まだお昼か。することがなくなってしまった。
『…ん?』
とことこと廊下から足音が聞こえる。
「あっ、いた、A様っ!A様宛にお手紙ですよ!」
『おや、どうもありがとう』
「い、いえっ!」
そそくさと去っていく隊士を横目に、渡された手紙を見る。
あ、桑島様からだ。直接お手紙を貰うのは初めてかも…どうしたんだろう。
『(うっわめちゃくちゃ字綺麗だな……どれどれ…
……ふむふむ、なるほど)』
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らっつ - 久々に見に来たら更新されてびっくり。素敵なお話をありがとうございます! (8月31日 22時) (レス) @page25 id: c7494693fb (このIDを非表示/違反報告)
透水 - 終わり!?続きは無いのでしょうか… (7月21日 13時) (レス) @page25 id: e8fae7b723 (このIDを非表示/違反報告)
とく(プロフ) - 面白いです、続き待ってます!! (7月21日 0時) (レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
ppp - 更新、本当にありがたいです!いつまででも待っております。更新よろしくお願いします! (7月20日 10時) (レス) @page25 id: 746217eb38 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - うん.....泣きましたぁ( ;∀;) 本気と書いてマジで (6月15日 14時) (レス) @page25 id: 91d89c4fce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M2 | 作成日時:2020年6月4日 20時