佰漆拾 ページ20
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小芭内side
言葉を交わすうちに泣き疲れたのか、俺に抱きついたまま再び眠ってしまったAを布団に寝かせる。
Aが握りしめていたらしい俺の服の裾に少し皺が出来ているのに気が付いて、図らずも頬が緩んでしまった。
小「……………」
涙の跡が残るその頬を、そっと撫でる。
目元の涙を慎重に拭えば、僅かにその長い睫毛が揺れた。
いつも気丈に振る舞う人の弱った姿は、こんなにも心が痛くなるものだったのか。
おかげで目を覚ました時の為に溜めておいた涙もどこかへ消えてしまった。
小「(…Aの泣き顔は、初めて見たな)」
泣き顔が可愛らしいだけでなく、時折漏れる嗚咽さえ品があるとは……とそこまで考えて頭を振った。
流石に、泣いていた彼女に対してそんな情を持つのは不謹慎か。いや、でも……
……あちらに深い意味はないとはいえ、愛の言葉を交わしてしまった。これはあまりにも大きな収穫である。
＿＿＿ドタドタドタ……！
不意に地響きのような轟を聞いて、揺蕩っていた思考を取り戻す。
小「……ッ…まずい…！」
鎹鴉が知らせたのか…！
急いで襖が開かないように固定、
＿＿スパンッ！！！！
…間に合わなかった。
煉「Aッ！！！！」
し「起きたって本当ですか！？」
宇「オイオイオイオイ宴だろおい！！」
小「バッ、静かにしろ…！！」
先ずは三人か。まだマシではある、と思いたいが。
『…んん………？』
……ほら見ろ、Aが、起きてしまった。先程寝付いたばかりだと言うのに。
有「馬鹿だな、阿呆じゃん何考えてんの」
無「ありえないほんとありえないんだけど」
襖の影から双子が顔を出す。気を使って隠れていたようだ。子供の方が余程気が利いてるじゃないか、情けない。
『ん…？いつの間に寝てたのか。
…あれ？随分、珍しい組み合わ、』
し「Aさんッ！！！！！」
『ぅおっと、吃驚した……』
小「姉様は病み上がりだ！抱き着くな！！」
俺が止める前に飛び付いてしまった胡蝶しのぶを、Aは軽々と抱き留めた。
流石だ。こんな時でもAは強く寛容で美しい。
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らっつ - 久々に見に来たら更新されてびっくり。素敵なお話をありがとうございます！ (8月31日 22時) (
レス) @page25 id: c7494693fb (このIDを非表示/違反報告)
透水 - 終わり！？続きは無いのでしょうか… (7月21日 13時) (レス) @page25 id: e8fae7b723 (このIDを非表示/違反報告)
とく(プロフ) - 面白いです、続き待ってます！！ (7月21日 0時) (レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
ppp - 更新、本当にありがたいです！いつまででも待っております。更新よろしくお願いします！ (7月20日 10時) (レス) @page25 id: 746217eb38 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - うん.....泣きましたぁ( ；∀；) 本気と書いてマジで (6月15日 14時) (レス) @page25 id: 91d89c4fce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M2
| 作成日時：2020年6月4日 20時
