箱推しなので箱ごと守ろうと思う 参【鬼滅の刃】

佰参拾参 ページ33

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珠「お館様からの手紙で大体のことは把握しているつもりですが……」


『………………』



うせやん。個人情報ダダ漏れだったんか。それってどうなの、わたし的にトップシークレットのつもりだったんだけど、ねぇお館様。



珠「…実の所、私もよく分かっていないんです…」



わかってないんかい。



珠「芙蓉さんは何かと秘密の多い人でしたから。自らの血鬼術についても多くは語りませんでした。


鬼が人に術者としての能力を移すというのも初耳ですし…


……なので、Aさんにはその研究の手助けをして頂きたく」




…成程、これが本題か。




『具体的には何を？』


珠「定期的に、血液検査をしたいのです」




聞いてみれば、やり方はアラ簡単。


茶々丸が定期的に来るらしいので持ってきた注射器でプスッチュウーっと血を採り持ち帰らせれば完了。


ホラ簡単。



見せられた注射針が令和のものとだいぶ違って太いので若干ビビったがまぁいけないこともない。


注射器の本数がなんか多い気がするけどこれもまぁいけないこともない。多分。



物珍しそうに私の目を見てたので、てっきり"目玉貸して"とか言われるかと思った。違った良かった。







珠「、ということで、よろしくお願いしますね」


『お任せ下さい。…では、私はそろそろお暇致します』


珠「えぇ、今日は会えてよかったです。愈史郎、お見送りをお願いします」


愈「なっ……わか、りました、珠世様…」


『ありがとう、愈史郎くん。よろしく頼むよ』








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謎のゲート的なのをくぐると、最初に入ったのと同じ場所に出てきた。


そこからしばらく歩き、街の喧騒が微かだが少しずつ聞こえ始める。





愈「……俺が送るのはここまでだ。後は自力で帰れるだろ」


『あぁ、そうだね。どうもありがとう、愈史郎くん』




言うと、さっと踵を返してゆしろーくんは帰っていく。





『…………………』




え。



"どうせ醜女"の訂正は？ないの？え。



教科書には【愈史郎：別れ際に悪口の訂正をする。ツンデレ。】って書いてあった気がするんだけど。小4で習った気がするんだけど。え。




『……………(まじかぁ……)』



トホホ…と思いながら私も街へ向き歩き出す。


そっかぁ訂正無しかぁ…ゆしろくん的には本当に私は醜女なんだね……そかぁ……おおん……



悲しみにくれながら、最後に一度、後ろを振り返る。





愈「…っ！？」



『…えっ』





えっ。


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