佰弐拾肆 ページ24
·
『………もう買うものはございませんか?』
て「うんうん、バッチグー。じゃ、そろそろ戻ろか」
『承知致しました。では箱にお戻りください』
て「毎度すまんの!」
『……礼には及びません』
予感は見事に的中。
またもや馬車馬の如く日本中を駆け巡り、てっちん様の観光の足となって空き時間は潰された。
拒否権はないのでね。なんてったって里の長だから、この人。
いつかと同じく両脇に荷物という名のお土産を抱え、よく分からん石とてっちん様が入った箱を背に負う。
……あぁ…情けない姿……すげえ注目浴びてる……早く去ろうそうしよう…
·
『…鉄穴森さん、ちょっとこれ、頼んでいいですか…』
鉄「うわ……また鉄珍様にこき使われたんですね」
『はは…こき使われたなんてそんな』
大正解です。
例のごとく、てっちん様は里に帰り着くやいなや箱を出て何処かに散歩へ出かけていった。
うん。もういいよ。余生を存分に謳歌してくれ。うん。
『…屋敷に運びましょう、生物もございますので』
鉄「この一時間で一体どれだけの場所を回ったんですか……とりあえず、助太刀を呼んできますね」
その後、待ちきれなくなったので結局一人で屋敷まで荷物を運びました。人の目が痛かったのでね。
厨を探し食べ物を運び入れた帰りに助太刀らしき人と鉄穴森さんと再会した。申し訳なさそうに礼を述べられてから、客間へと戻る。
『(チッキショー肩凝った…)…………』
てくてくと廊下を歩く。
『…(あ〜最近一日が濃いな〜寝る暇もありゃしねぇ〜)』
そう思いながら、襖を開けた。
鋼「……A」
『あら、蛍さん。お戻りになっていたんですね、お待たせしてすみません』
卓上に置かれた袋の球根を不思議そうに見つめる蛍さんが部屋に座っていた。傍には私の日輪刀が。
鋼「…いや、今来た所だ」
『……そうですか、よかった…あ、代金を用意しま、』
鋼「いらん!!」
『えっ?ですがそういう訳には…』
鋼「……いらん。次Aが刀鍛冶の仕事を頼みに来た時は、金の代わりにお前の時間をくれと言えと鉄穴森が言っていた」
…ん?
『(ん?なんで鉄穴森さん…?ん?)…代わりと言わず、時間ならいくらでも…いつでも、とは言えませんが…』
鋼「…だから言う」
『えっ(アカン聞いてないコレ)、あの、』
鋼「金はいらん。代わりに、お前が欲しい」
·
3036人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MARE(プロフ) - 海の中で目開けでも染みませんよ。普通の水と同じです(体験談) (2021年6月26日 20時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
かん - お久しぶりでございます…!楽しみにしてました。これからも楽しみに待っております! (2020年6月7日 16時) (レス) id: b9832c7634 (このIDを非表示/違反報告)
翔(プロフ) - すごいハマってます。小芭内かわいいです/笋靴砲呂燭泙蠅泙擦鵝そしてむいくんの可愛さも尊い 小芭内が一時期愈史朗くんに近かったのが笑いました。これからも楽しみにしております。(^-^) (2020年6月3日 2時) (携帯から) (レス) id: b9fae3d1e9 (このIDを非表示/違反報告)
shion - 久しぶりの投稿嬉しいです!!続きも楽しみにしてますっ! (2020年6月2日 1時) (レス) id: bbadf961a9 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮(プロフ) - めっちゃハマりました!!続きが読みたいです!更新頑張ってくさい! (2020年5月26日 22時) (レス) id: d6f1919e89 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:M2 | 作成日時:2020年1月31日 20時