箱推しなので箱ごと守ろうと思う 参【鬼滅の刃】

佰拾伍 ページ15

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『…この海域で次々と船が沈没、ね………』


煉「……あぁ、鬼の仕業と考えて差し支えないだろう」


『まぁこの舟も沈没しそうだがね。鬼は関係なく』


煉「…冗談はよしてくれ」








本来丈夫であるはずの櫓がバッキリふたつに割れる程朽ちた舟なんですが、一向に"これで出る！"と譲ろうとしない煉獄さんはついに勝手に舟に乗り始めた。



結局私が折れ、舟に乗って海に出た訳ですが、実際乗ってみると思っていた以上に小さい。そしてボロい。


多分そろそろ船底の板一枚くらい抜ける。笑えん。




そして、





『…杏寿郎くん、顔色が悪いが大丈夫かい』


煉「…呼吸で何とかしている」


『(何とかなってんのかそれ……)』





煉獄さん、酔いました。


！がない……これは重症………





『……やっぱり、戻るかい？』


煉「…櫓がないのにどうやって戻るんだ……」



『……………………………








…………………………………………ホンマや』






詰んでねこれ。やばくねこれ。終わりじゃねこれ。



もう沖どころじゃないとこまで来てんだが。





漂流記書く羽目になるぞ。




いや、書く前に沈没するなこれ。





『…ちなみに、杏寿郎くんは泳げるのかい？』


煉「川でしか泳いだ事がないからわからんな………もしかして、泳いで戻るつもりか」


『……いや、流石にそれは無理だろう』





だって荒波だもの。


泳ぐどころか浮かぶことさえ危ぶまれるもの。






『何処かの陸にでも流れ着け(あ、鬼の気配)たらいいけれど』



煉「……………………あぁ、そうだな」





海の中に鬼いますね。うん。


どうやら煉獄さんも気付いたようです。





『(…近付いてきてるな……)




……おやおや、随分と海が穏やかになったな』


煉「……体調が回復してきたぞ…！」


『それはよかった』




あの海の荒れようは血鬼術のせいだったのかな。

流石の海に棲む鬼でも海面に上がるとなると波を落ち着かせる必要があったのか……




『…今なら泳げそうだな。杏寿郎は体調が全快してから来い』




せっせと服を脱ぐ。




煉「…なっ何をしているんだ！！何故脱ぐ！？！？」




『海中じゃ抵抗を生むだけだからな。安心しろ上だけだ』




サラシを巻いてるから大丈夫だよ！



『よし、行ってくる』





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