箱推しなので箱ごと守ろうと思う 参【鬼滅の刃】

佰拾 ページ10

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とりあえず獪岳くんを部屋に招きました。




獪「…すまん、血で汚れた」




獪岳くんは手元の手ぬぐいを見て申し訳なさそうに眉を歪める。


全部返り血だったみたい。怪我がなくて良かった。




『元々そのつもりで貸したんだ。気にしないでおくれ』




手ぬぐいは洗っておくから適当な所に置いてくれと伝え、縁側に座るよう促す。



少し距離を空けて座ったのを見て、口を開いた。




『それで、今日はどんな用事で来たんだい？』


獪「……本当に、用事は無えんだよ。ただ、なんとなく立ち寄っただけだ」


『ふむ……そうかい？』


獪「……なぁ、先月、稽古をしに来なかったな」


『あぁすまない……一ヶ月間、少し怪我の療養をね』



獪「…………そうか…」



『ふふっ、大丈夫だよ、すっかり治ったからね』


獪「…まだなんも言ってねぇよ」




えぇ、だってすごい伺うような視線だったんだもん…心配してくれてるの可愛いねかいがっきゅん……




『…………………』



獪「……………………」





扇で緩く仰ぐような風が吹いてきて、髪がふわりと靡く。まとわりつく空気を洗ってくれているようで気持ちが良い。



あ〜〜すんごい穏やかな夜〜〜沈黙が気まずくない〜〜庭も相変わらず和風総本家〜〜良い意味でテンション上がんねぇ〜〜




平和やぁ……目閉じてたら眠くなってきた…………





『ふぅ………そうだ、獪岳くん、今夜は泊まっていくかい？』


獪「…いいのか」


『うんうん、好きにしていいよ…』



あ〜泊まるなら男物の着物用意しないとなぁ…



『う〜ん、部屋は……』



あれ、今ちょうど満室だっけ…じゃあ私の部屋に寝かせるかぁ。



獪「…縁側でいい、俺は」


『風邪、引いちゃうよ？』

獪「別にいい」

『よくないよ』

獪「部屋、空いてねぇんだろ」

『おや、よくわかったね』

獪「お前が今自分で言ったんじゃねぇか」


『…あれれ』


獪「…はぁ……A、お前眠いんだろ」




あら、ばれた。






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