佰肆拾弐 ページ42
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縁側に座った宇髓さんが、猫と戯れる双子を横目に見ながら話しだす。
宇「任務帰りにこの屋敷を見つけてな。グルグル走り回る隊士が見えたもんだから、興味本位で門を覗いてみれば吃驚、いつか見た狐面が居たってことだ」
『なるほど、わかりやすい説明だね』
宇「おちょくってんのか」
『おやおや、まさか』
任務帰りか〜、隊服が全く汚れてないから今からかと思った。流石柱。
宇「…それにしても、お前がまだ甲ってのは派手に驚いたな」
『おや、大袈裟だね』
宇「おっと、こっちは本気で言ってるぞ?とっくの昔に柱になったとばかり思っていたが」
『私は柱にはならないと決めているんでね』
宇「勿体ねぇなぁ、なんでだ?仕事が増えるからか?」
『ふふっ、そういうことにしておこうかな』
宇「なぁA、お前、嫁に来いよ」
『あー、…………………は…?』
ん?嫁って言った?
『………嫁?』
宇「……………」
『……ん……?』
宇「……ククッ、地味に間抜けた声だな」
ひとつ笑ったあとに、宇髓さんは近くにあった座布団を頭の下に敷き、ごろんと横になった。
…なんだそのくつろぎようは。
我が家かここは。
『なんだ、からかったのかい』
宇「ん?いや、俺はいつだって本」
小「おい!」
『…おや、小芭内』
間に割って入ってきたのは我らが小芭内。
やっと呼吸が落ち着いたようだ。よかったよかった。
『どうしたんだい?』
小「……っと………稽古だ。稽古の続きをするぞ」
『う〜ん、まだ皆が揃っていないからね…もう暫く待ってくれるかい?』
小「…………ならば、客人に茶でも出したらどうだ。ほら行ってこい」
宇「…あー、俺ならお構いなく」
小「いいや行ってこい今すぐにだ」
『そ、そうだね』
小芭内が執拗に私を厨へと促す。
確かにお客さんに何も出さないのは失礼か…あ、そういえばさっきの任務先で村の人にお礼の品を貰ったんだっけ。お菓子だったな、あれ。
『気が回らなくてすまないね、一緒に茶菓子も用意しよう。少し待ってておくれ』
小「いいや姉様は何も悪くない。ゆっくり行ってこい」
『(さっきは"すぐに"って言ってたじゃん……
……まぁいっか)』
宇「………………」
お菓子、私も食べちゃお〜っと。
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MARE(プロフ) - 海の中で目開けでも染みませんよ。普通の水と同じです(体験談) (2021年6月26日 20時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
かん - お久しぶりでございます…!楽しみにしてました。これからも楽しみに待っております! (2020年6月7日 16時) (レス) id: b9832c7634 (このIDを非表示/違反報告)
翔(プロフ) - すごいハマってます。小芭内かわいいです/笋靴砲呂燭泙蠅泙擦鵝そしてむいくんの可愛さも尊い 小芭内が一時期愈史朗くんに近かったのが笑いました。これからも楽しみにしております。(^-^) (2020年6月3日 2時) (携帯から) (レス) id: b9fae3d1e9 (このIDを非表示/違反報告)
shion - 久しぶりの投稿嬉しいです!!続きも楽しみにしてますっ! (2020年6月2日 1時) (レス) id: bbadf961a9 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮(プロフ) - めっちゃハマりました!!続きが読みたいです!更新頑張ってくさい! (2020年5月26日 22時) (レス) id: d6f1919e89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M2 | 作成日時:2020年1月31日 20時