玖拾肆 ページ44
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雷雨の日に山登りなんてするもんじゃねえ。マジで。
さっきから石やら岩やらが落ちてきてかなわんわ。てかこれ台風来てね?来てるわこれ。
『……烏くん、危ないから君は帰っておくれ』
私の言葉を聞いた瞬間、なんの躊躇もなく烏くんは飛び去っていった。そんなに帰りたかったの…?私も帰りたい……
『………はぁ……』
雲が厚く暗いうえに雨で視界が遮られるため、前が全く見えない。
わざわざこんな日に来なくてもよかったんじゃ…?…いやでも、鬼にとっちゃ天気なんて関係ないか…
……いやいやこんな日に食事に出掛ける馬鹿はおらんだろ。
燃えにくく濡れにくいと言われているこの隊服でさえももうびっしゃびしゃなんやぞ?着衣水泳かって感じなんやぞ??
顔もお面してるとか関係なくびしょ濡れだし、なんなら隙間からの水の出入りがヘビーローテーションでお面の中が絶えず水で満たされてるからこの最小限の範囲で溺れ死にそう。
鼻で呼吸しようもんなら一瞬で水吸って終わり。鼻ツーンてなるやつ。つらい。口で息してる。
『シー、ハー、帰りゴボッ、か、えりたバハッ、い』
もうお面外す!!!
『ワッ風すご、わぶっ、やだ枝が口に入った!』
やっぱり付けとく!!!!!(泣)
?「……………なに、やってんだ?」
『(ヒィッ!!!)…おや、君は?』
た「…たかはる、だけど」
『こんな嵐の中、山で何をしているんだい?』
た「それは俺の台詞なんだが……」
…ごもっとも。
『私は、奇妙な物がこの山に住んでいると聞いてそれを狩りに来たんだよ』
た「………それ多分今うちにいるわ…今から帰るとこなんだが、来るか?」
うちにいるとは???鬼じゃないの????
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爺「今来むと 言いしばかりに ながつきの
有明の月を 待ち出でつるかな」
『…………………』
た「…はァァァ……あんのジジィ……」
こんな風雨の中、縁側に座って百人一首を呟くお爺様。
その隣に、
伊「ヴーッ」
いもすけ(12)。
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うさぎもち - 無一郎かわええ・・・ (8月5日 16時) (レス) @page47 id: 6ed501a3ba (このIDを非表示/違反報告)
冰輪(プロフ) - 無惨のママみがつおい……w (8月1日 0時) (レス) @page27 id: 3dfd0d46a5 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - いつも楽しみにしてます最新頑張ってください応援しています (2021年5月21日 22時) (レス) id: 15c1247fea (このIDを非表示/違反報告)
りぽE - 錆兔好き…。 なんでこんなイケメンなん??錆兔と義勇さんに攻められたらやべぇな (2020年6月10日 16時) (レス) id: 15686f771a (このIDを非表示/違反報告)
桃綺薇(プロフ) - 鯖兎に惚れた…… (2020年4月20日 18時) (レス) id: 3e7a0f8c20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M2 | 作成日時:2020年1月18日 22時