陸拾玖 ページ19
·
『…あまね様、彼らの家までお送り致しますが、着いたら私は一度森へ戻らせて頂いてもよろしいでしょうか?』
あ「えぇ、構いませんが…如何しましたか、何かあったのでしょうか」
『いえ、何というほどの事でもないのですが……無一郎くんが森の中に居るようなので、私は一度彼とお話をしようと思いまして』
·
あまね様に了承を得て、来た道を戻る。
二人きりにするのは不安だったけど…有一郎くん、昨日の今日でちょっと申し訳なさそうな顔してたし大丈夫かな。
·
二人は杣人をしてるんだっけ?さっきここら辺で大量の木を背負った少年を一人見た気がしたんだけど……
『お、いたいた』
無「あれ、あなたは……?
あっ…!!昨日は兄さんがすみませんでした!!」
背中に負った木の枝を揺らしながら、無一郎くんは頭を下げた。
『おっと…私は大丈夫だよ、顔を上げておくれ。それに、君が謝ることでもないだろう?』
無「いえ、兄さんの誤ちは僕の誤ちでもあるので…」
『…そうか。ふふっ、君達は本当に良い兄弟だね』
無「……そうですか?」
無一郎くんは不思議そうにしているけど、ちょっと嬉しそうだ。
可愛いね…可愛いよ……君はお兄ちゃんと幸せになるべき…うんうん…可愛いは正義だから……時透双子も正義……うんうん……
家へと歩きながら、話を続ける。
無「…兄さんは、本当は悪い人じゃないんです…
……口も、あんなに悪いけど……でも……」
『…うんうん、そうだね、わかっているよ。
人が子供の頃から口が悪くなるのは、まぁ例外もあるが、ほとんどが"何か"を守る為なんだ。
子供には腕力も権力も無いからね。生きるだけで大変だよね。常に威嚇していないと、気を抜けばすぐ大人が全てを貪る……
…守る"何か"ってのは人それぞれで、自分自身だったり、住む環境だったり家族だったり色々だ。
有一郎くんの場合は…………あぁ、言わなくても分かるかな?
見たところ、彼は不器用だけどね、誰よりも強く芯を持っている…あ、君もわかるかい?頑固さとはまた違った、強い心だよね。彼はすごいよ。
……君もそうだよ、無一郎くん。やっぱり、双子は似るのが自然の摂理なのかな?君も真っ直ぐな心を持っているね。
だから君達の意見がぶつかる事は当たり前だ。そしてその意志の相違は、進歩を示す健全な兆候でもある』
·
3389人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うさぎもち - 無一郎かわええ・・・ (8月5日 16時) (レス) @page47 id: 6ed501a3ba (このIDを非表示/違反報告)
冰輪(プロフ) - 無惨のママみがつおい……w (8月1日 0時) (レス) @page27 id: 3dfd0d46a5 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - いつも楽しみにしてます最新頑張ってください応援しています (2021年5月21日 22時) (レス) id: 15c1247fea (このIDを非表示/違反報告)
りぽE - 錆兔好き…。 なんでこんなイケメンなん??錆兔と義勇さんに攻められたらやべぇな (2020年6月10日 16時) (レス) id: 15686f771a (このIDを非表示/違反報告)
桃綺薇(プロフ) - 鯖兎に惚れた…… (2020年4月20日 18時) (レス) id: 3e7a0f8c20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:M2 | 作成日時:2020年1月18日 22時