箱推しなので箱ごと守ろうと思う 壱【鬼滅の刃】

陸 ページ6

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『匂い、強くないかな、大丈夫？』


芙「ふむ……もう一本増やそうか」


『えぇ…三本目だけど本当に大丈夫なのかい』





麓の町で買ってきた藤のお香に火をつけた。


芙蓉さんの身体に害あるんじゃ…？




芙「心配するな。むしろ弱った方が私を殺しやすいだろう？」


『…ブラックジョークやめてよ…』


芙「ぶらっく…？」


『なんでもないよ』





あれから二年後。


八歳になった私は、全集中常中を身につけた。


トリップ特典で元々良かった身体能力は更に何倍にも上がり、走ればネコバスくらいのスピードは出てるんじゃないかと思う。知らんけど。


とにかくめちゃくちゃ速い。




それと、水の呼吸に炎の呼吸、加えて"透き通る世界"をマスターしました。


あれ？透き通る世界って痣発症者限定じゃ？

え？痣出てないけど？先にそっちマスターしちゃう？


後で痣出るの？私二十五で死？え？





呼吸に関しては、他の派生も使えなくはないけど特に威力が強いのが水と炎だった。


芙蓉さんいわく、


「紅い水芙蓉は知性や太陽、水を司る神の花と言われているんだよ」


らしい。



関係あるのかな。でも太陽ってことは、日の呼吸も使えちゃうんじゃ？ヒノカミ神楽じゃん？私使えていいの？



…まぁいっか(適当)







透き通る世界は、稽古中になぜだか急に発生した。




＿えっ、芙蓉さん透けてる、ちょ、なにそれ、

＿…A？どうしたんだい？

＿ひゃあ〜待って！骨見えてるっ！あれ、内臓なくない？まってこわい、！

＿はは、なんだか恥ずかしいからやめておくれよ

＿なんで照れるの…？





どうやら透き通って見えている間は自分の闘志や敵意が相手に遮断されるらしく、初めのうちは「やる気がないっ！！」と何度も芙蓉さんに怒られた。


そういうわけじゃないのに…





＿＿＿＿＿＿＿





週末になれば相変わらず町におりて甘味を食らう。

今日はよく晴れているので私一人だ。


二年前に芙蓉さんから貰った狐の面をずらし、お萩を頬張った。



『…ん〜うまっ……』


「A、とうとう髪の色も芙蓉に似ちまったなぁ」



隣に座った呉服屋のおじさんが私の髪をすくって言う。



『綺麗でしょう？気に入ったから、伸ばしているんだよ。

はい、おじさん、おはぎ半分おすそわけ』


「おっ！あんがとよー！」




お礼に着物を割引してくれるというおじさんの口車に乗せられ、新しいのを一着買って帰った。



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