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芙蓉side






『…ふふ、知っているよ』


私の決死の告白に対して、Aは"なんだそんなことか"というように笑って答えた。



まだ幼子だというのにどこか大人びた雰囲気の彼女は、口調が私に似てきたように思う。


それがなんだか無性に嬉しかった。



これが、親心というものなのだろうか。




芙「……なんだ、覚えていたのかい」


『勿論。芙蓉さんが鬼だということも、私を水芙蓉の中から引き上げてくれたことも、芙蓉さんが慣れない人間の食事を頑張って作ってくれていたことも、貴方が誰よりも優しい人であることも。

全部、覚えてる』



芙「……そうか」


『料理、上手になったよね、芙蓉さん』


芙「…たまに山を下りて、町で教えてもらっていたんだよ」


『ふふ、それも知ってる。甘味処のおばさまがこっそり教えてくれたんだ』


芙「…はずかしいな、口止めしたのに」


『でも私はそれを知れて嬉しかったよ』


芙「……君にはかなわないな……」



思わず零した言葉に、Aは相変わらず幸せそうににこにこと笑みを浮かべる。



芙「…本当にAは、笑顔が似合うね」



可愛らしい、人形のような笑顔だ。彼女は笑顔を絶やしたことがない。


陽だまりのような彼女は、私には少し眩しい。



芙「それとね、A。

お願いがあるんだ」





__________







貴方side






芙「鬼殺隊に入って、私を殺してほしい」


『………え……?』




驚いた。



もともと鬼殺隊に入ることは私の中では決定していた。



少々過保護なところがある芙蓉さんのことだから、鬼殺隊なんて断固反対だと思っていたが。



まさか。




『鬼殺隊については元からそのつもりだったよ。でも芙蓉さんを…そんな、私は、』


芙「…私はね、許されてはいけない存在なんだ。人だって、少なからず喰ってきた…自我を持てるようになってからは、やめたけれど。


でも、血肉のおかげで私は力が強くなってしまったらしい。心は臆病なままでね。


だから、死のうにも死ねない。


何度だって日を浴びようとした。日輪刀に頸を差し出した。


でも、身体が勝手に拒むんだ。



Aにはね、私が太刀打ちできないくらい、強くなってほしい。



そしていつか、私の頸を斬っておくれ」





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Kさん - なんかこの作品のおかげで小芭内のこと好きになったわ.....この作品好きぃぃ!! (6月14日 20時) (レス) @page36 id: 91d89c4fce (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい… (2022年11月5日 11時) (レス) @page14 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
カド松(プロフ) - 彼女、気づいたら痣だらけになってそう (2020年11月14日 19時) (レス) id: 8d052b9284 (このIDを非表示/違反報告)
咲拉(プロフ) - お返事ありがとございます!M2様の文は個性豊かで面白い所も皆様に刺さるポイントだと思っています。これからもM2様らしいコミカルさも折り込まれた作風を楽しみにしています!真摯に対応して頂いてありがとございました。今も大変かと思いますが、体調気を付けて下さい。 (2020年4月21日 13時) (レス) id: 94dbf7702a (このIDを非表示/違反報告)
M2(プロフ) - 咲拉さん» 読み返してみると結構拙い文が多いですね…申し訳ないです。今度リメイクしてみようと思います!有難く参考にさせていただきますね! (2020年4月21日 0時) (レス) id: ca371dd3e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:M2 | 作成日時:2020年1月11日 13時

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