9 ページ10
『というか……そのレイラーさんっていうのやめてもらっても…？普通にAって呼んでください』
「そう？じゃあ私もティナでいいわ」
その時、ビリーウィグが空を飛んで私たちの前を横切る。
体が青いし羽の音も特徴なためすぐ目に付いた。
「今のはなに？」
「蛾じゃないかな……大きな蛾」
ニュートが誤魔化す。だがビリーウィグがいるということは確実にトランクは開いてしまってるだろう。
大きな通りに出ると、やけに人だかりができていた。
女性の悲鳴が上がったりとガヤガヤしている。
とある一角のアパートからは煙が出ていた。
ニュートに手を握られながら野次馬の中を進んでいく。
「またガス爆発よ！」
「いや、ガスの匂いなんてしませんよ！」
「いーや！ガスなんかじゃねぇよお巡りさん。俺は見たんだ…ものすごいでっかいカバ…ガスだ……」
余計なことを言う前に私は男の人にそっと杖を向けて記憶を改ざんさせる。
ガスだガスだ！と騒いでるうちに、避難してきた人たちの波と逆に進み建物の中に入る。
急いで階段を駆け上がり、崩壊が激しいところの部屋に入れば綺麗に壁が崩れ去っていて空が見えていた。
そして、壁際の方で銀行で出会った男性が倒れていた。
首を怪我をしているようでそれをニュートに見てもらう。
「マートラップの傷跡だ…薬ある？」
『マートラップは…いえ、トランクに入らないと……』
そんな話をしているとガンガンと大きな足音が聞こえ、ティナの私たちを呼ぶ声が聞こえる。
『ニュートは動物の確認急いで』
「わかった」
杖を振って崩壊した家を直していく。
その間にニュートは逃げた動物を確認する。
部屋を直し、ニュートがトランクの鍵を閉め終わるとティナが姿を現す。
「開いてたの？」
「ちょっとだけ」
「お騒がせ二フラーがまた逃げた？」
「あ…あぁ……かもね」
ニュートの反応を見る限り逃げちゃったらしい。
すると、ティナは倒れている男性を見つける。
「もう！首から血が出てる！怪我してる！｣
男性の様子を見るティナにニュートは少し呆れ顔でこちらを見てくるが私だってどうも出来ない。
このまま大人しく引き下がって男性をこちらに引き渡してくれればいいのだけれど…
そう考えているとティナが悲鳴をあげて尻もちを着いた。
隠れていたマートラップが飛び出してきたようで、私の方に飛びついてきたから捕まえるとニュートは素早くトランクを開けてその中にしまい込む。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 460人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅月@aile(プロフ) - 初コメ失礼します！映画沿いで主人公ちゃんとニュートの絡みにドキドキしながら読んでました！何より、文才が凄くて感動しました！2作目も読みたいです！ (2022年5月16日 17時) (
レス) id: 1bb58b29e8 (このIDを非表示/違反報告)
ロッカルキングボーン！(プロフ) - 初めてのコメント、失礼します！本当に本作品が大好きで、本当に最高でした…！主人公ちゃんとニュートの関係性も最高ですし、なにより文が読みやすくて本当に素晴らしいの一言に限ります…！この作品を書いてくださり、そして公開してくださりありがとうございました！ (2022年5月12日 0時) (レス) @page50 id: c839c729ee (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - はじめまして！1作目完結おめでとうございます！！いつも楽しく拝見していました。是非2作目も読みたいです。よろしくお願いします！ (2022年5月12日 0時) (レス) @page50 id: 619933edc5 (このIDを非表示/違反報告)
koropochi0125(プロフ) - 2作目お願いしてもいいですか？ (2022年5月11日 21時) (レス) @page50 id: f7a260b65c (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 初コメ失礼します！！完結おめでとうございます！！2作目も楽しみにしています！ (2022年5月11日 18時) (レス) @page50 id: 6427fd8af0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あるっぷ
| 作成日時：2022年5月1日 20時
