48 ページ49
後日、私とニュートは工場から出てくるジェイコブを待っていた。
出てきたのを見計らってニュートがわざとぶつかる。
「失礼、すみません」
「おい！」
ジェイコブの怒る声が聞こえるが無視して通行人に紛れて姿を隠す。そのまま裏路地に入り、姿くらましをして建物の屋上からジェイコブの様子を覗き見した。
『満足？』
「あぁ、これでいい」
オカミーの銀の卵殻はとても価値があるからきっと銀行の担保も通ってパン屋が開けるはずだ。
ジェイコブが嬉しそうにしてるのを見てると、トントンと肩を叩かれて振り向くと視界いっぱいに広がるニュートの顔。
『んっ！？』
驚いて後ろに引こうとしたら、腰と後頭部に手を回されて逃げれなくなる。
啄むように口付けをされ、しばらくすると少し離れるがちょっとでも動けば唇が触れ合う距離だ。
「僕怒ってたの知ってるよね？」
『えっ…今掘りだすの!?』
「だってあれから少しバタついてたじゃないか…常に誰かいて2人きりになること無かったし。なんで君は簡単に唇を許してしまうの？」
『あ…れは…まさかされるとは思わないじゃん…』
「まぁ確かに予想はしてなかったからあいつが悪いけど…」
少し納得してないようだ。
『それを言うなら私もちょっと妬いたかも…』
「え……？な、なにに？」
『処刑のタイミングで仲良くなったんだろうけど……仲良さすぎてちょっと妬いた…距離が近くて…、私邪魔かもって思うぐらいには…』
「……心臓痛い」
『え！？』
「どうしてそんな可愛いこと言うの…？好きだよ、可愛い。僕には君しかいないって言ってるだろ？」
『ｯ､ん…わ、わかったから、にゅ…ニュートっ』
バードキスを何度もされ私の脳内はキャパオーバーしてる。
こうなったニュートはしばらく止まらないのは分かっているからこそ不慣れな私には恥ずかしくて堪らない時間になった。
ーーーーー
私たちは帰りの船に乗るために乗り場まで来ていた。
トランクには二フラーが逃げ出さないようにロープが張ってある。
「2人にお礼を言わなきゃ…」
『え？』
「あなた達がピッカリー議長に取り成してくれたおかげで私はまた調査部に戻れたのよ」
『あぁ〜…』
「調査されるなら君にされるのがいいなぁと思って…」
「……それ彼女の前で言わない方がいいわよ」
『気にしてないから大丈夫』
そう言うとニュートはやってしまったとでもいうような顔を浮べる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 460人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅月@aile(プロフ) - 初コメ失礼します！映画沿いで主人公ちゃんとニュートの絡みにドキドキしながら読んでました！何より、文才が凄くて感動しました！2作目も読みたいです！ (2022年5月16日 17時) (
レス) id: 1bb58b29e8 (このIDを非表示/違反報告)
ロッカルキングボーン！(プロフ) - 初めてのコメント、失礼します！本当に本作品が大好きで、本当に最高でした…！主人公ちゃんとニュートの関係性も最高ですし、なにより文が読みやすくて本当に素晴らしいの一言に限ります…！この作品を書いてくださり、そして公開してくださりありがとうございました！ (2022年5月12日 0時) (レス) @page50 id: c839c729ee (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - はじめまして！1作目完結おめでとうございます！！いつも楽しく拝見していました。是非2作目も読みたいです。よろしくお願いします！ (2022年5月12日 0時) (レス) @page50 id: 619933edc5 (このIDを非表示/違反報告)
koropochi0125(プロフ) - 2作目お願いしてもいいですか？ (2022年5月11日 21時) (レス) @page50 id: f7a260b65c (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 初コメ失礼します！！完結おめでとうございます！！2作目も楽しみにしています！ (2022年5月11日 18時) (レス) @page50 id: 6427fd8af0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あるっぷ
| 作成日時：2022年5月1日 20時
