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帰ろうとしたピッカリーだがジェイコブの存在に気づく。
「オブリビエイトして、例外はなしよ」
その言葉にクイニーは俯いて寂しそうな雰囲気を漂わせる。
「お別れを言いなさい」
その場でオブリビエイトをしない辺りピッカリーも少し同情したのだろう。
マクーザの人たちが全員消えて、私たちは地上付近まで出る。
ジェイコブがそのまま外に出ようとしたがクイニーが腕を掴んで引き止めた。
「いいんだよこれで…本当なら俺はここにいるはずじゃなかった、なんにも知らないはずだった」
クイニーの泣きそうな表情をみてジェイコブも泣きそな表情をする。今にも涙が溢れそうだけどそれを堪えている。
「たまたまAが俺の記憶を…あれ、なんで消さなかったんだ？」
『完全に私の私情よ。でもそうね…友達だからかな』
「僕たちを助けてくれたことも忘れないよ」
ニュートがそういえばジェイコブは少し肩をふるわせる。
「そうか」と答えた声も震えていた。
「ねぇ、私も行く！2人でどこかに行っちゃうのはどう？」
クイニーが笑顔でジェイコブに問いかけると、嬉しそうに笑うがどんどん辛そうな表情に変わる。
「あなたみたいな人どこにもいないわ」
「そこらにいっぱいいるよ…」
「いいえ…あなたはたった1人よ」
離れたくないって言う気持ちが2人からひしひしと伝わる。
その光景を見たら胸が痛くなる。
あぁ、グリンデルバルドの野望について行けばこういうことも多分消えるだろう……と考えてしまう。
あの人は殺しと支配をしてしまうから少し間違っているが。
涙を見せないために背を向けて拭う姿に行かなくていいと言いそうになってしまう。
「ジェイコブ…」
「大丈夫、大丈夫だ……」
何度もそう言うジェイコブは私たちにではなく自分に暗示をかけているようだ。
「夢が覚めるようなもんだろ？」
ゆっくりと後退して雨に当たるジェイコブは目を瞑る。
クイニーは杖で傘を出してジェイコブに近づいてキスをするとこちらに戻ってきた。
次にジェイコブが目を開けるとそこには誰もいず、無意識に伸ばしていた手に首を傾げる。
ジェイコブはわけも分からずそのまま雨に打たれ家に向かって歩いた。
『…大丈夫よ、あれはオブリビエイトと違って“嫌な記憶”を忘却してくれるから…ね』
そう小さく呟いた声はクイニーに拾われていたかどうかは分からない。
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紅月@aile(プロフ) - 初コメ失礼します！映画沿いで主人公ちゃんとニュートの絡みにドキドキしながら読んでました！何より、文才が凄くて感動しました！2作目も読みたいです！ (2022年5月16日 17時) (
レス) id: 1bb58b29e8 (このIDを非表示/違反報告)
ロッカルキングボーン！(プロフ) - 初めてのコメント、失礼します！本当に本作品が大好きで、本当に最高でした…！主人公ちゃんとニュートの関係性も最高ですし、なにより文が読みやすくて本当に素晴らしいの一言に限ります…！この作品を書いてくださり、そして公開してくださりありがとうございました！ (2022年5月12日 0時) (レス) @page50 id: c839c729ee (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - はじめまして！1作目完結おめでとうございます！！いつも楽しく拝見していました。是非2作目も読みたいです。よろしくお願いします！ (2022年5月12日 0時) (レス) @page50 id: 619933edc5 (このIDを非表示/違反報告)
koropochi0125(プロフ) - 2作目お願いしてもいいですか？ (2022年5月11日 21時) (レス) @page50 id: f7a260b65c (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 初コメ失礼します！！完結おめでとうございます！！2作目も楽しみにしています！ (2022年5月11日 18時) (レス) @page50 id: 6427fd8af0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるっぷ
| 作成日時：2022年5月1日 20時
