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「ほら、あそこ」
『あー…ほんとだ』
女性の靴についてる装飾品を齧って盗んでいく二フラーの姿が見えた。
人のカバンに次々と乗り移っては何かを盗んでいく。
2人で視線をさ迷わせていると、椅子の下からコインの弾ける音がした。
ニュートと視線を合わせてそこをじっと見つめれば小さな生き物の手で次々にコインが回収されていく。
そしてその隣にいた犬の首輪の装飾品も取ろうとしたのか近づいて吠えられている。
咄嗟にニュートがしゃがみこんで捕まえようとしたがすぐに二フラーは受付の柵をよじ登ってしまう。
柵越しに覗けば、二フラーは作業員が押す台車に乗ってエレベーターの中に行ってしまった。
「おい！そこのお嬢ちゃん！と旦那！卵が孵りそうだぞ！」
先程話した男性が片手に卵を持ってこちらに向かって叫ぶ。
さっき座った時にニュートがオカミーのた卵を落としてしまっていたみたいだ。
二フラーを優先するべきか迷っていたらニュートがそっと杖を取りだした。
『う、嘘！？ダメだって！』
そんな言葉を聞かずに、正面から私を抱きしめると引き寄せられた男性ごと姿くらましをしてその先の関係者しか入れない階段にワープしてしまった。
姿くらましの勢いのままぶつかったからニュートと男性との間でサンドウィッチ状態になる。
声を出さなかった私偉い。
男性の手の中でパキパキと卵の殻が割れる音が聞こえる。ニュートがそれを受け取るとその瞬間にオカミーが孵って小さい声で鳴く。
「おい……なんなんだ……」
混乱しまくってる男性をよそにニュートはトランクを開けてオカミーを巣に入れる。
「そこにいたよな、俺？」
『混乱してるとこ悪いけどもう少し付き合ってくれる？』
「お嬢ちゃん、どうなってるんだ…」
『本当にごめんなさい、説明をしょうがないというか…』
足を進めれば男性もゆっくり着いてくる。
二フラーは金庫に入ってしまったらしい。
ここまで来たらもうどうしようもない。
「アロホモラ」
解除呪文を使ってニュートが金庫を開ける。
だが背後から誰かが来てしまった。
「お前達、金庫のカネを盗む気か！」
そのまま緊急ベルを鳴らしてしまう男性に、私は諦めてしまった。
『ペトリフィカストタルス！』
石のように固まった男性はその場に倒れる。
「ナイスだよA」
『早くして！応援来ちゃうから！』
金庫の中で二フラーは満足そうに光るものをたくさんお腹に詰めて寛いでいた。
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紅月@aile(プロフ) - 初コメ失礼します！映画沿いで主人公ちゃんとニュートの絡みにドキドキしながら読んでました！何より、文才が凄くて感動しました！2作目も読みたいです！ (2022年5月16日 17時) (
レス) id: 1bb58b29e8 (このIDを非表示/違反報告)
ロッカルキングボーン！(プロフ) - 初めてのコメント、失礼します！本当に本作品が大好きで、本当に最高でした…！主人公ちゃんとニュートの関係性も最高ですし、なにより文が読みやすくて本当に素晴らしいの一言に限ります…！この作品を書いてくださり、そして公開してくださりありがとうございました！ (2022年5月12日 0時) (レス) @page50 id: c839c729ee (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - はじめまして！1作目完結おめでとうございます！！いつも楽しく拝見していました。是非2作目も読みたいです。よろしくお願いします！ (2022年5月12日 0時) (レス) @page50 id: 619933edc5 (このIDを非表示/違反報告)
koropochi0125(プロフ) - 2作目お願いしてもいいですか？ (2022年5月11日 21時) (レス) @page50 id: f7a260b65c (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 初コメ失礼します！！完結おめでとうございます！！2作目も楽しみにしています！ (2022年5月11日 18時) (レス) @page50 id: 6427fd8af0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるっぷ
| 作成日時：2022年5月1日 20時
