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「持ってて」
ニュートがコワルスキーさんにバケツに入れた肉を渡す。
ニュートが何かを手に持って瓶の中に液体を入れてるのを見てコワルスキーさんは眉を顰める。
「そいつはなんだ？」
「これ？スウーピング・イーヴル。空飛ぶ悪魔だよ。物騒な名前だよね…」
絞った液体は綺麗な青色で、瓶に満タンになるとコルクで蓋をする。
「動きが素早いんだ。Aとの研究の結果、こいつの毒は薄めれば薬になることがわかった。嫌な思い出を消してくれるんだ」
ニュートは背を向けてコワルスキーさんの方に手を向ければスウーピング・イーヴルが飛び出す。
ニュートのやりたいことが分かって思わず顔を見てしまう。
先程とった瓶を渡され、腰に着けてるポーチにしまい込む。
『さぁ、行こう』
扉を開けて動物たちのいるところに向かう。
後ろを振り返ればコワルスキーさんも恐る恐る扉から顔を覗かせ、驚いたような表情をした。
まさかトランクの中がこんな普通になってるなんて誰も思わないだろうし…
「おいで！降りといで！」
杖で傘を作り、上を見るとそこにはサンダーバードが降りてきていた。
雨が上がったところで私も近づく。
『フランクが逃げなくて良かった…』
「アメリカに来たのはコイツの為なんだ…故郷に返すため…」
後ろにいたコワルスキーさんが1歩前に踏み出すとフランクは威嚇するように大きな声で鳴く。
「あぁ、近づかないで！フランクは人見知りだから」
『大丈夫…いい子ね』
フランクの顔を触りながら私は健康状態もチェックしていく。
「コイツは密輸されたんだ。エジプトで鎖に繋がれてた」
『見過ごせなくて、連れてきたの』
「元の世界に返してあげるからな…アリゾナの大自然の中に…」
優しい目でフランクを見つめるニュートに思わず胸が高鳴る。
やはり動物と接してる時のニュートが1番いい顔をする。
大きな幼虫を空に放り投げれば、それを追ってフランクが飛び立つ。
それを満足気に見たニュートは私の方を見つめる。
『……？なに？』
「…いや、ただ見蕩れていただけだよ」
『っ、な！？』
不意にそう言われ、ぶわっと顔が赤くなる感覚がする。
ほんと、心臓に悪い……！
何かを呼ぶようにニュートが叫ぶと、固まって動かない私の手を引いてコワルスキーさんからバケツを受け取る。
地鳴りが響いてきてどんどん近くなる。
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紅月@aile(プロフ) - 初コメ失礼します！映画沿いで主人公ちゃんとニュートの絡みにドキドキしながら読んでました！何より、文才が凄くて感動しました！2作目も読みたいです！ (2022年5月16日 17時) (
レス) id: 1bb58b29e8 (このIDを非表示/違反報告)
ロッカルキングボーン！(プロフ) - 初めてのコメント、失礼します！本当に本作品が大好きで、本当に最高でした…！主人公ちゃんとニュートの関係性も最高ですし、なにより文が読みやすくて本当に素晴らしいの一言に限ります…！この作品を書いてくださり、そして公開してくださりありがとうございました！ (2022年5月12日 0時) (レス) @page50 id: c839c729ee (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - はじめまして！1作目完結おめでとうございます！！いつも楽しく拝見していました。是非2作目も読みたいです。よろしくお願いします！ (2022年5月12日 0時) (レス) @page50 id: 619933edc5 (このIDを非表示/違反報告)
koropochi0125(プロフ) - 2作目お願いしてもいいですか？ (2022年5月11日 21時) (レス) @page50 id: f7a260b65c (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 初コメ失礼します！！完結おめでとうございます！！2作目も楽しみにしています！ (2022年5月11日 18時) (レス) @page50 id: 6427fd8af0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるっぷ
| 作成日時：2022年5月1日 20時
