決断の裏 4 【振り返り】 ページ5
Aside
A「なにさね一体!?」
Aは動揺しつつもアスタ達に尋ねる。
アスタ「ヤミ団長が元気無いって言ってたから来たんだよ」
ノエル「わ、私はコイツの見張り役だから!別にアンタが心配で来たわけじゃないんだからね!」
A「あぁそう。まぁどっちでもいいけど静かにして」
アスタ「悪いな」
アスタはそう言うとベッドの隣に置いてある椅子に座り、あることを話し出した。
アスタ「傷は大丈夫か?」
A「このゾンビ姿を見てよく大丈夫って聞けたね。まだ痛むよ」
アスタ「さっき団長に会ってさ、お前が戻って来ないかもしれないって聞いたんだ」
A「余計なことを...」
ノエル「私の言葉が引き留める意味をもつかわからないけど、少なくともアンタは黒の暴牛の一員として頑張ってたわよ」
A「それは嬉しいね。ところでさ、アスタの後ろにいる彼は何故いるんだい?」
Aはさっきから三人の背後で黙っていたユノの存在に目を向けた。
Aとユノは正直いってこれが初対面と言ってもおかしくない。金色の夜明け団を毛嫌いしてたAは一言も言葉を交わそうとはしなかった。
ユノ「...初めまして」
A「初めまして、ユノさん?」
ユノ「僕は勝手に連れてこられただけだから」
アスタ「なんだとユノ!?お前がAは大丈夫なのかとか聞いてきたんだろうが!!」
ユノ「...」プイッ
ユノは相変わらず興味の無さそうな表情をする。
一体何のために来たんだろうか。ホントにわからん。
A「何でもいいけど、励ましに来たなら要らないよ。折れてるわけじゃないし」
ノエル「あのね...。私は団に残ってほしいと思ってる!だから来たの」
ノエルは真っ直ぐAの目を見た。
強い意志の込もったその目と対峙するのは二度目だ。
“ユリウス『メルシーを取り戻す』”
ユリウスも真っ直ぐにAの目を見て言っていた。
変わらぬ覚悟。その時はそれがあった。
今のノエルにも似たようなものを感じる。
ノエル「あなたは私の友達だから」
A「...」
ノエル「迷ってるなら来なさいよ。私たちがあなたの"家族"なんだから」
.
A「...なら君達は私に何を差し出す?
私は覚悟を決めてこの命を戦場へと捧げることを誓う。
だからそれと同等のモノを下さい。
対価を支払い契約しましょう。
それが
"等価交換"、ですから」
.
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作者名:パパゴラス3世 | 作成日時:2019年1月26日 11時