決断の裏 3 【振り返り】 ページ4
Aside
A「1人で戦えないのは当たり前」
ヤミ「そうだ」
A「そうですか...
初めて言われましたよ。いいですね、仲間の大切さを知れる言葉」
ヤミ「お前もいつか堂々も言えたらいいな」
A「いつか、ですけどね...」
ヤミが吹き出した煙が窓の外へ逃げていく。
空は清々しいほどに青く、輝いていた。
ヤミ「…うちには、お前みたいな荒くれ者共がいるんだよ」
A「知ってますよ。恐るほどの荒くれ者、でも...
誰よりも優しい人達、でしょ」
ヤミ「そうだ。だからお前を必要とする」
そう言うとヤミはある物をAに渡した。
それは、黒の暴牛のローブだった。
Aは顔を歪めた。
何故これを渡してきたのか、ヤミの意図が分からないかった。
A「なんです、これ」
ヤミ「あ？見ての通りうちのローブだ」
A「いや知ってますけど、なんで私に？」
ヤミ「記念に持っとけ。
それか、気が変わったら着とけ」
ヤミはそう言うと扉を開けた。
背中を向けたまま、Aに言葉を告げる。
ヤミ「明日！魔法騎士団本部前で待ってる。
俺達は、お前を必要とする」
そう言ってヤミは部屋を出ていった。
バタンという音が鳴り、Aだけが取り残される。
A「私を....必要とする..」
もしも、母さんのように人の役にたてるようや使い方ができたら。
私も騎士になれるかな。
Aの中には不安があった。
戦う恐怖、見捨てられる恐怖、何よりも“死”への恐怖が大きかった。
A「(私のこの命は、母さんの命でもあるのに...)」
もしも死んだら、あの世で母さんにあわせる顔がない。
折角もらった命を、投げ出すようなこと私はできるの？？
必要としてくれる彼らの期待に答えられるの？？
A「母さん……どうしたらいいの」
Aの頬を雫がつたう。
するとその時、
バンッ
A「!?」ﾋﾞｸｯ
アスタ「おい生きてるかあ!!!」
A「な、なに!?ノックくらいしたら!?!」
ノエル「ごめんA！止められなかった！」
アスタ「悪ぃ悪ぃ」
ユノ「……」
扉を豪快に開けて入ってきたのは、
アスタとノエル、そして何故か金色の夜明け団のユノだった。
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作者名：パパゴラス3世 | 作成日時：2019年1月26日 11時
