曇って隠れておとなしくしてろ ページ21
血を流し、息を切らしながら了平はリングに立っている。コロネロは家庭教師として了平の技の大成を見届け、京子を連れてさっさと帰ってしまった。
ヴァリアー側の守護者、ルッスーリアがほとんど悲鳴のように叫ぶ。異様なほど『何か』に怯えていた。
「いや…いやよ！わたしはヴァリアーよっ、片足でだって勝ってみせるわ！楽勝よ！！おほほっ…」
すごい執念だ、とツナは言ったが、オレは即座に否定した。あいつらはボンゴレ最強の暗殺部隊だ。勝負がついてしまったことくらいルッスーリアもわかっているだろう。しかし、奴は自分から負けを認めるわけにはいかない理由があるのだ。
「さあいくわよ！！続けるわよ！！早く！！」
どんっ、と、空気が震えた。
__________ドギャッ！！！！
血飛沫をあげ、ルッスーリアが倒れ伏す。味方であるはずの大男に背中を撃たれたらしかった。
「やる時はやる、さすがだねゴーラ・モスカ。ボス補佐が忠実な
ヴァリアーの連中は顔色ひとつ変えずに敗者を見ていて、ダサいカエル乗っけたチビひとりが満足そうに大男を見上げていた。
「ボス補佐って…ミヤビ？」
ツナが呟いた名前に目を細める。大男のマスクを突き破って額から伸びる、ツノのような装置。そこに埋め込まれた黄色く光る石は、鈴兎とよく似た少年、ミヤビの目を思わせた。
「弱者は消す。これがヴァリアーが常に最強の部隊である所以のひとつだ。ルッスーリアはこれに恐怖して動揺していたんだ」
「消すって…でも今のは」
大男に目を向けて、次にルッスーリアに駆け寄ろうとして止められた了平を見て、ツナは言葉を切った。
◆
目の前の液晶に映る、今宵の争奪戦の様子を睨む。笹川了平は、妹のために勝利した。見せつけられた兄妹愛に舌打ちが漏れる。
『へーきへーき、私お姉ちゃんだもん！』
そういって扉の向こうに姿を消した、憎たらしい姉の泣きっ面が網膜に焼き付いている。
「どいつもこいつも、妹弟を強くなるための理由にしたがる。ちょっと先に産まれただけのくせに…」
腹立たしい気持ちを抑えようと拳を握れば、画面の向こうでルッスーリア様が立ち上がるところだった。ひどく怯えた様子で構える姿に頭が冷える。
その怪我で続けたら、XANXUS様も認めたメタル・ニーは二度と使い物にならなくなる。ああもうと天を仰いで、僕はモスカに『制裁』を実行させた。
◆
「殺すつもりには、見えなかったけど」
閑話:リボーンズファイルその1→←一方そのころ:この情報量を一体どこから仕入れてくるんだ
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卯月伍(プロフ) - 暁月臨さん» ありがとうございます！下手すると数ヶ月とか挟んで急に投下するスタイルですが、続きを待っていてくださる方がいると思うとモチベが上がります！ (12月21日 20時) (
レス) id: cac572832d (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - めっちゃ好きです…！続き待ってます！！ (12月12日 14時) (レス) @page30 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月伍 | 作成日時：2020年11月14日 12時
